言語文化教育研究:Studies of Language and Cultural Education

第1巻(2004)――創刊号

第1部 論文

第2部 活動レポートから

I 総合活動型日本語教育と私

II 言語文化教育と私

III 日本語教育と私

第3部 記録,他

編集後記

この教育研究誌の母体は,早稲田大学大学院日本語教育研究科言語文化教育研究室(当時)であり,さらにその延長線上としてのNPO法人「言語文化教育研究所」(当時)がある。

創刊号の本文からもわかるように,ここでの大きなテーマは,「言語文化教育とは何か」であり,その具体的な姿としての「総合活動型日本語教育」の設計・組織化および教室活動の支援の実現が当面の課題である。近く刊行される『考えるための日本語-問題を発見し解決する総合活動型日本語教育のすすめ』(細川英雄+ NPO 法人スタッフ編,明石書店)とも内容的に密接な関係がある。

大学院日本語教育研究科は,基本的にセメスター制をとっているので,理論研究科目としての「言語文化教育研究」の毎回の課題から「言語文化教育とは何か」が産出され,「実践研究科目「日本語教育学実践研究」からは,「総合活動型日本語教育とは何か」が生み出される。いずれも研究室メンバーの多くが,修士課程4 期のうちの第1 期目に履修する科目である。この二つの科目で,ほぼ研究室活動の基本が理解され,それぞれの研究活動が開始される。

もうひとつの特色は,研究室入学事前レポートである。

この研究室に入学の決定したメンバーは,実際の入学までの半年の間に12,000字程度のレポートを書かなければならない。それは,「私にとって日本語教育とは何か」というテーマである。このレポート執筆支援には,前期に入学したメンバーがメーリングリストによって交代で当たり,入学時には,この研究室の,メールによる嵐のようなインターアクションの試練に耐えられるようになっているはずである。溶鉱炉としての研究室のインターアクションの中でどのように這いずり回り,またそこからどのように這い上がるかは,メンバー一人ひとりの問題である。

この教育研究誌は,研究室関係メンバーの活動が中心になっているが,決してそれ以外の方々を排除する仕組みにはなっていない。今号では,2003年秋から1年間,早稲田大学に交換研究員として滞在し,総合活動型日本語教育の「実践研究」へもフルタイム参加した山田ボヒネック頼子さんの熱いインタビュー記録も掲載した。

むしろ,このように,世界の,いろいろな分野のさまざまな方々の,言語文化教育研究への参加を望むものである。「言語文化教育研究」の,勇気ある今後に期待してほしい。(ほ)