言語文化教育研究:Studies of Language and Cultural Education

第8巻

2号(2010年秋)

学習者が主体的に参加するとき――総合活動型日本語教育の初級クラスの実践から
森元桂子,金龍男,武一美,坂田麗子(いずれも早稲田大学日本語教育研究センター)
概要: 本稿では,活動型日本語教育の授業実践において,学習者の主体的な参加態度がどのような要因によって出現するのかについて,教室全体のメカニズムという観点から分析・考察した。その結果,学習者の主体性の出現は,活動に対する学習者自身の必然性の有無にかかっていることが明らかになった。そこから,学習者の必然性を生み出す教室環境を維持するためには,教師の意図と学習者の現実のズレを見抜くことと,学習者と合意を重ねつつ,計画を柔軟に軌道修正していく姿勢が教師に求められることを主張する。
キーワード: 学習者,教師,主体性,必然性,合意,軌道修正
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年少者日本語教育における「学び」の再考
田邉裕理(早稲田大学大学院日本語教育研究科)
概要: 本稿は,「移動する子どもたち」の「ロールモデル」を取り込んだ日本語教育実践の分析記述である。具体的には,「子どものアイデンティティ形成に重要な影響を与える他者の生き方や特性」である「ロールモデル」に対するインタビュー活動を行い,2人のJSL生徒が互いに「ロールモデル」を見出す‐見出される関係性をもつに至った経緯を明らかにする。その上で,「移動する子どもたち」の「学び」を再考することを目的とする。
キーワード: 年少者日本語教育,移動する子どもたち,ロールモデル,学び
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1号(2009年春)

留学生活を支えるための日本語教育とその研究の課題――社会構成主義からの示唆
三代純平(日本学術振興会特別研究員DC2,早稲田大学大学院日本語教育研究科)
概要: 本稿では,まず留学生活と日本語教育の関係が留学生をめぐる研究においてどのように描かれて来たのかを検討する。その中で,言葉と文化が本質主義に基づいて捉えられてきたことの問題を指摘する。さらに本質主義から社会構成主義へと転換することで留学生活における日本語教育を考えるための研究はどのように変化するのかについて,「能力」から「学び」への転換を中心に議論し,留学生活を支えるための日本語教育という視座の重要性とそれを考えるための研究のあり方について考察する。
キーワード: 本質主義,社会構成主義,ネットワーク,能力,学び
エントリー: 三代純平(2009).留学生活を支えるための日本語教育とその研究の課題――社会構成主義からの示唆『言語文化教育研究』7&8,65-99.
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