言語文化教育研究学会:Association for Language and Cultural Education

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第7号(2015年12月17日)

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言語文化教育研究学会メールマガジン 第7号
ALCE: Association for Language and Cultural Education

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■ 第7号:もくじ ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
--◆◇学会事務局より◇◆----------------------------------------------
2015年を振り返って

--◆◇月例会特別企画報告◇◆------------------------------------------
特別企画対談「居場所としての児童養護施設と学習支援室の意義――フィリピ
ンと日本から子どもたちの生活と成長を考える」報告       古屋憲章

--◆◇月例会報告◇◆--------------------------------------------------
10月の月例会を振り返って                 岩崎浩与司

--◆◇おしらせ◇◆----------------------------------------------------
【参加者募集:12月18日】第37回月例会:言語教育における自律学習とその
 支援を考える―「わせだ日本語サポート」における支援実践を事例として
【参加者募集:1月10日】外国語授業実践フォーラム「相互成長につなげる外
 国語教育の実践と共有」
【参加者募集:1月23日】特別企画:魔法使いの子どもの修行の旅――外国に
 ルーツを持つ親子を支援する日本語と演劇のワークショップ
【発表者募集:4月15日締切】言語教育の「商品化」と「消費」を考えるシン
 ポジウム
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■ 学会事務局より ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
2015年を振り返って
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早いもので、今年最後のメルマガ発行となりました。

思い起こせば、2015年はパリでの衝撃的な銃撃事件で始まり、世界でも、日本
でも「文化」あるいは「多様性」をどのように捉え、そして、どのように関わ
っていくのか?ということについて対峙させられる1年であったかと思います。

このような世界の動きに呼応する形で、当学会では3月に開催される第2回年次
大会のテーマを「「多文化共生」と向きあう」としました。
https://alce.jp/annual/index.html

そして、来年も今年同様に、設立趣旨の冒頭で掲げられている通り、「ことば
と文化の教育とは何か、ことばと文化の教育を研究するとはどういうことかを
広く議論するための対話の場の設定を第一の目的」として活動を行っていきた
いと思います。

来年もどうぞよろしくお願いいたします。
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■ 月例会特別企画報告 ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
特別企画対談「居場所としての児童養護施設と学習支援室の意義――フィリピ
ンと日本から子どもたちの生活と成長を考える」報告
                        古屋 憲章(司会担当)
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10/24(土)に澤村信哉さん、木村博之さんをお招きし、特別対談企画が
行われました。澤村さんは、フィリピンはミンダナオ島のダバオオリエンタル
で児童養護施設ハウス・オブ・ジョイを運営されています。同時に似顔絵描き
や楽器演奏を行うパフォーマーでもあります。木村さんは、横浜市国際交流協
会で国際交流ラウンジを運営されています。

前半は、澤村さん、木村さんからそれぞれがどのような活動を行っているかを
報告してもらいました。澤村さんは、ハウス・オブ・ジョイにおいて、こども
たちが遊び、学び、生活する場をどのように創ろうとしてきたかを語りました。
また、木村さんは、自身が担当する横浜市「中区」「南区」「鶴見区」の3区
の国際交流ラウンジにおいて、「外国にルーツをもつ子ども」の教科学習をど
のように支援してきたかを語りました。

後半は、こどもたちのための「居場所」創りをテーマに澤村さんと木村さんに
よる対談が行われました。対談では、「居場所」創りに関し、主に次のような
意見が交わされました。
1)こどもたちのための「居場所」とは、こどもたちが心から安心できると
 ともに、楽しく過ごせる場である。
2)そのような「居場所」を創るためには、こどもたちの自由な表現を保証
 する必要がある。

【感想】
私自身も含め、日本語教育関係者は、学習者と接する際、学習者が使用するの
日本語のみに注意が向きがちです。このような傾向は、学習者がこどもであっ
ても同様であろうと思います。私は、今回の対談企画への参加をとおし、日本
語(ことば)はこどもたちの生活や人生と一体であること、それゆえ、こども
たちのための「居場所」創りにおいては、日本語(ことば)を彼/彼女らの生
活や人生と切り離して扱うべきではないということにあらためて気づかされま
した。
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■ 月例会報告 ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
10月の月例会を振り返って
                             岩崎 浩与司
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10月の月例会で、「日本語教育はテクノロジーとどのように付き合うべきか」
というタイトルで発表しました。発表では、私のこれまでのテクノロジー活用
教育と、最近のテクノロジーを活用した教育形態、最後に持続可能性という観
点からテクノロジーがどのように生かせるかを述べました。

会場からは、日本語学校での急速なICTの導入に対する教師たちの戸惑いの声や、
Facebook上で教師と学習者のコミュニティを利用した実践報告など、興味深い
ディスカッションがありました。また、いただいたコメントの中では、今やテ
クノロジーは日本語教育にとって、避けては通れない存在になっている、とい
う趣旨の発言が印象に残りました。

私自身は博士課程の研究テーマとして、テクノロジーという存在の意味を考え
ています。私もテクノロジーは避けては通れないと思っていますが、それだけ
に、日々進化するテクノロジーに飲み込まれてテクノロジー至上主義にならな
いように、意味のある付き合い方を模索することは重要な課題ではないかと思
っています。

また、ディスカッションでは、私自身のテクノロジーとの付き合い方への質問
もありました。それについては、うまく考えがまとまっていなかったので、今
も考え続けています。ただ、ぼんやりといえることは、言語教育におけるテク
ノロジーは人と人とのつながりや結びつきを支えるためにあるのであり、そう
した観点から今後も様々なテクノロジーを評価していくことが重要ではないか
と思います。

最後に、月例会での発表はまだ研究や考えのまとまっていない私にとって、ハ
ードルの高いものでしたが、予想以上に様々な方からの反響があって、結果的
にやってよかったと思っています。研究の途中段階であっても、発表や発信を
して意見をもらうことで、人とのつながりができるのだと改めて感じることが
できました。このような場を提供してくださったALCEの皆様に感謝いたします。
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■ おしらせ ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
━【参加者募集:12月18日(金)】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
第37回月例会
言語教育における自律学習とその支援を考える―「わせだ日本語サポート」に
おける支援実践を事例として
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●話題提供:千花子(早稲田大学大学院日本語教育研究科),加藤駿(早稲田
 大学大学院日本語教育研究科),古屋憲章(早稲田大学日本語教育研究セン
 ター)
●日時  :2015年12月18日(金)18:00-19:45
●場所  :早稲田大学早稲田キャンパス22号館 715教室[アクセス]
●参加費 :無料
●予約  :不要(当日、直接会場にお越しください)
●お問合せ:monthly@alce.jp

私たちは、早稲田大学日本語教育研究センターにより開設された「わせだ日本
語サポート」(以下、「サポート」)の支援スタッフです。「サポート」では、
早稲田大学に在籍する日本語を母語としない学生を対象に、自律的な日本語学
習を促す支援を行っています。私たちは「サポート」を訪れる多様な学生に対
応する中で、また自らの支援実践を振り返りながら、自律学習やその支援のあ
り方に関し、日々考えています。

本月例会では、「サポート」を題材に、言語教育における自律学習とはどのよ
うな営みか、自律学習の支援はどのようにあるべきかに関し、参加者の皆様と
議論します。具体的には、次のような活動を行います。

1)発題者よりいくつかの先行研究を参照しながら、言語教育において自律学
    習がどのように議論されてきたかを紹介します。
2)発題者より「サポート」において、自律学習がどのように捉えられ、どの
    ような支援実践が行われているかを紹介します。
3)1)2)を踏まえ、次のポイントに沿って、参加者全員で言語教育おける
    自律学習や自律学習支援に関するお互いの経験や考えを共有します。
    (1) あなたにとって「自律学習」とはどのような営みですか。
    (2) あなたにとって「自律学習支援」とはどのような営みですか。
    (3)「自律学習支援」は、あなたの教育実践とどのような関係がありますか。

言語教育における自律学習とその支援をめぐる議論が、参加者の皆様にとって、
また私たちにとっても、自身の教育実践を問い直すきっかけになればと思いま
す。
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━【参加者募集:1月10日(日)】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
外国語教育三団体合同研究会「相互成長につなげる外国語教育の実践と共有」
ワークショップ「高度思考力を養うための外国語の授業とは」ほか
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主催:外国語授業実践フォーラム、福岡韓国朝鮮語教育研究会、中国語教育学会
日時:2016年1月10日(日)9:30~16:30
場所:九州産業大学1号館 406A/B 福岡県福岡市東区松香台2-3-1
●大会ポスター http://www.jacle.org/storage/160110meeting.pdf
●申込みフォーム http://kokucheese.com/event/index/351695/
●研究会 ※参加費無料、定員80名
 9:00~ 受付開始
 9:30~9:35 開会の辞
 9:35~12:25 発表1~4
●ワークショップ「高度思考力を養うための外国語の授業とは」
 13:30~16:30
 ※参加費¥2000(外国語授業実践フォーラム2015年度年会員は無料)、
 定員40名 13:00~ 受付開始
●懇親会 ※費用¥3500(税込)、定員40名
 17:30~19:30(博多駅近く)
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━【参加者募集:1月23日】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
第38回月例会(特別企画)「魔法使いの子どもの修行の旅 ― 外国にルーツを持
つ親子を支援する日本語と演劇のワークショップ
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●講師※: 中山由佳氏(早稲田大学),飛田堪文氏(桐朋学園芸術短期大学),
 横田和子氏(目白大学)※50音順
●日時: 2016年1月23日(土)10:00~16:00
●場所: 早稲田大学早稲田キャンパス22号館 8階会議室
●参加費:会員2,000円、非会員4,000円
●定員 :16名(申し込み先着順)
●申込締切:2015年12月20日(月)
 *定員に達し次第、締切りとさせていただきます。
●お問合せ:monthly@alce.jp
●参加申し込み方法:https://alce.jp/monthly/index.html

昨今、外国にルーツを持つ児童が日本の学校に通うことが、珍しくない状況に
なりつつあります。彼らのなかには言語や文化の壁を軽々と超え、日本人の友
達を作り、優秀な成績を収めている児童もいますが、一方で日本語が全くわか
らず、あるいは友達が作れず、助けを必要としている児童もいます。さらには、
諸事情により、全く学校に行くことができない児童もいます。
本学会では、そのような児童に対する支援の一環として、主に地域で活躍する
日本語教師を対象に、外国にルーツを持つ親子のエンパワメントを目的とした
日本語と演劇のワークショップを開催します。
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━【発表者募集:4月15日締切】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
研究集会 IN 香港
言語教育の「商品化」と「消費」を考えるシンポジウム
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【商品化と消費って?】私たちは、「商品化」をある物や活動が経済的行為と結
びつき、価値を持つようになること、「消費」を人々が商品化された物や活動に
対価を支払い、手に入れ、欲望充実やアイデンティティ構築のために費やすこと
と定義します。
言語教育と経済的行為は切っても切れない関係にあるにもかかわらず、これまで
議論が避けられがちだったのではないでしょうか。私たちは香港での研究集会で
「言語教育の商品化と消費」について向き合い議論したいと考えています。
みなさまのご参加、お待ちしております。

●日程: 2016年7月16日(土)・17日(日)
●会場: 香港大学
●合同開催:言語文化教育研究学会,つながろうねっト,香港大学日本研究学科
 日本語プログラム
●応募締切:2016年4月15日
●詳細:https://sites.google.com/site/researchseminar03/

※本シンポジウムは、言語文化教育研究学会の第3回研究集会を兼ねて開催され
ます。
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━【学会関係者出版情報】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
・三代純平 編
 『リテラシーズ叢書5 日本語教育学としてのライフストーリー
 ―語りを聞き、書くということ―』くろしお出版
 http://www.9640.jp/xoops/modules/bmc/detail.php?book_id=128381&prev=new
・西山教行・細川英雄・大木充 編
 『リテラシーズ叢書4 異文化間教育とは何か
 ―グローバル人材育成のために―』
  http://www.9640.jp/xoops/modules/bmc/detail.php?book_id=128369&prev=new
・舘岡洋子 編
 『日本語教育のための質的研究 入門
 ―学習・教師・教室をいかに描くか―』ココ出版
 http://goo.gl/EU8Fui
・細川英雄
 『増補改訂版 研究計画書デザイン―大学院入試から修士論文完成まで―』
 東京図書
 http://goo.gl/bYWPZ6
・田中祐輔『現代中国の日本語教育史―大学専攻教育と教科書をめぐって―』
 国書刊行会
 http://www.kokusho.co.jp/np/isbn/9784336059420/
・マイケル・バイラム 著 細川英雄 監修
 『相互文化的能力を育む外国語教育
 ―グローバル時代の市民性形成をめざして―』大修館書店
 http://www.taishukan.co.jp/book/b208112.html
・舘岡洋子編著『協働で学ぶクリティカル・リーディング』ひつじ書房
 http://www.hituzi.co.jp/hituzibooks/ISBN978-4-89476-540-5.htm
・神吉宇一 編著・
 名嶋義直・栁田直美・三代純平・松尾慎・嶋ちはる・牛窪隆太
 『日本語教育 学のデザイン―その地と図を描く―』凡人社
 http://bonpublishing.wix.com/design
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誌 名:言語文化教育研究学会メールマガジン 第7号
発行日:2015年12月17日
発行所:言語文化教育研究学会 事務局
    〒187-8505 東京都小平市小川町1-736
    武蔵野美術大学鷹の台キャンパス三代純平研究室内
編集、発行責任者: 言語文化教育研究学会広報・連携委員会 松井孝浩
お問い合わせ・情報掲載依頼:ezine@alce.jp
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