テーマ趣旨:ローカル・ガバナンスと言語文化教育
第11回大会のテーマは「ローカル・ガバナンスと言語文化教育」です。
ローカル・ガバナンスとは、多文化共生社会の実現に向け、地域社会の活動主体である官民様々な関係者が緩やかに連携し取り組みを進めていく、その在りようを示す考え方です。
多様な背景・ルーツを持つ人々が共により良く生きる「多文化共生社会」の構築は、国から地域へ、そして、それぞれの地域で暮らす人々の課題へと移行しつつあります。めざす社会のあり方がそれぞれの地域の実情をふまえて議論される中で、その地域に存在する有形無形の人々のつながりや、つながりの中で生まれる取り組みの価値が見直されてきました。しかし、既存の制度やつながりではすくい切れない課題も数多く、さらに、その「地域」ゆえの課題に直面する中で、解決の糸口が見いだせずにいる現状があります。多文化共生社会の実現は、様々な価値観が暮らしの中に混ざり合い、溶け合うことで生まれる新しい社会の姿であるともいえます。
言語文化教育は、多様な/異質な人と価値観が混ざり合い、溶け合うための手立てであり、また、そのような融合の場となることをめざしてきました。では、多様な背景・ルーツを持つ人々が共に生きる社会をそれぞれの地域で実現していくために、言語文化教育には何ができるのでしょうか。そして、その取り組みは地域のガバナンスの中にどのように位置づけられるのでしょうか。
今大会では「ローカル・ガバナンス」をキーワードに、地域と言語文化教育の持つ可能性について、ここ山口の地で考えたいと思います。