創刊号(2015年2月25日)
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言語文化教育研究学会メールマガジン 創刊号
ALCE: Association for Language and Cultural Education
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■ 創刊号:もくじ ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
--◆◇学会事務局より◇◆----------------------------------------------
創刊のご挨拶 松井孝浩(学会広報・連携委員会)
--◆◇月例会報告◇◆--------------------------------------------------
第29回「韓国の大学で日本語会話の授業を担当するということ―「日本語の自
分」を成長=変化させる場という設定をめぐって―」 井上雄介
--◆◇会員からの一言◇◆----------------------------------------------
それぞれの「私」の顔の見える学会として 細川英雄(学会代表理事)
--◆◇おしらせ◇◆----------------------------------------------------
【参加者募集:3月21日開催】言語文化教育研究学会 第1回年次大会(東洋
大学)テーマ「教室・学習者・教師を問い直す」
【発表者&参加者募集】第2回研究集会 in 金沢「人類学・社会学からみたこ
とばの教育―言語教育における言語イデオロギーを考える」
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■ 学会事務局より ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
創刊のご挨拶
松井孝浩(言語文化教育研究学会 広報・連携委員会)
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このたび、言語文化教育研究学会では、メールマガジンを創刊することとなり
ました。今後、月1回を目処にみなさまにお届けしていく予定です。
このメールマガジンは、学会からのお知らせを会員のみなさまにお伝えするだ
けでなく、協力団体や会員のみなさまとの情報交換の場としても利用いただけ
たらと思っています。協力団体が主催する研究会等のお知らせなどがありまし
たら、事務局までお知らせください。
加えて、会員のみなさまからは、本学会や協力団体が開催する研究会等に参加
した報告や感想、日々の実践、研究を通して感じたことなどについても「会員
からの一言」で取り上げていけたらと思っております。
みなさまからの情報掲載依頼や投稿(ezine@alce.jp)をお待ちしています。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
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■ 月例会報告 ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
2015年2月23日(金)開催 第29回月例会
報告「韓国の大学で日本語会話の授業を担当するということ―「日本語の自分」
を成長=変化させる場という設定をめぐって―」
井上雄介(東国大学日語日文学科〈韓国慶尚北道慶州市〉)
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「韓国の大学で日本語会話の授業を担当するということー「日本語の自分」を
成長=変化させる場という設定をめぐってー」という題で実践報告をさせて頂
きました。
告白しますと、10年以上教師をしながら、学会発表というものをまだ1回しか
したことがありませんでした。そのため、発表中のことは緊張のためほとんど
記憶がありません。もちろんメモをとる余裕もなし。ただ、月例会の後に酒が
入った位から意識が戻ったようなので、そこでの話を書こうと思います。
井上さんはそもそも、なぜ今回の発表をしようと思ったのか、という質問を頂
きました。今申しましたように、大学で教鞭をとっているにも関わらず、学会
活動に消極的な私への当然の疑問だったと思います。
私は「このまま死にたくないんです」と答えました。自分でもビックリする答
えでした。
手短に申せば、どうもここ10年ほど(つまりプロの教師になって以来)、幸せ
な感じがしないのです。この世に生きること、人と交わることの幸せが、どう
もピンと来ない。その、ぼんやりとしたつまらなさを、いい加減に終わらせよ
うと最近焦っているわけです。
私の発表の内容は、人に関心を持って対話してもらうにはどんな授業がいいの
だろう、と逡巡するものでした。思えば、人に関心を持つ必要があるのは、そ
の「ぼんやりとしたつまらなさ」を抱えている自分でした。
気づけば学生や日本語教育にも関心を持てなくなっている。卒業後に連絡を取
るような学生もいなくなりました。
食事の席で尋ねられたことの中でもう一つ記憶に残るのは、人に関心を持って
もらうにはどうしたらいいと思うのか、という質問でした。私はそれに「一人
一人が自分の問題意識をはっきり持つことでしょうか」と答えたと思います。
ならば翻って、私の問題とはなんだろう? 具体的にする作業が必要のようだ、
と気づきました。
学生に自分語りをさせるならば、あなたもそうすべきではないか。日本語母語
話者であるあなたが語ってこそ、韓国人同士が(あなたの前で)日本語で会話
する理由があるのではないか。それが私の発表に対する主なフィードバックだ
ったと(おぼろげながら)記憶しています。
「人に関心を持つ仕掛けとは、どんなものか」。
「私の問題とは何か、それをどう授業の中で語るか」。
韓国の新学期は3月からです。発表で頂いた示唆を授業に活かす方法を早く考
えなきゃ、と焦っているところです。
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■ 会員からの一言 ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
それぞれの「私」の顔の見える学会として
細川 英雄
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学会メルマガ会員欄の第1号として執筆を頼まれましたので、この学会の若干
の成立経緯と私の思いを述べさせてもらうことにします。
この学会の前身は、早稲田大学大学院日本語教育研究科(以下、日研)の言語
文化教育研究室から2004年に始まった言語文化教育研究会です。2001年に開設
された日研の最初の研究会で、当時、日研と同じ箇所に属していた日本語教育
研究センターの研究会としても登録され、機関誌「言語文化教育研究」を11号
まで発刊しました。
2013年3月の私の早稲田大学の早期退職に伴い、その母体を言語文化教育研究
所八ケ岳アカデメイアに一時移しますが、このあたりより新しい学会組織をめ
ざそうという機運が起こり、研究室出身の若手を中心にしたメンバーによる今
回の学会立ち上げに至りました。
現在、代表理事という役職を賜っているのは、たまたま前身の研究会の代表で
あったということで、立ち上げの発意をはじめ、その後の運営等はすべて若手
の方々の創意と協働によるもので、私自身はほとんど何もしていません。
ただ、この新しい学会が、旧言語文化教育研究室の、大きな理念であった、第
三人称としての語りをしない、という一点においては結束しているように思い
ます。「○○人は・・・」「○○社会は・・・」という評論的な立場で、ことばや文
化そして教育を語らない、さらに、そうしたことばと文化の教育は、実践と研
究の統合された立場によってはじめて成立するという考え方は、等しく共有さ
れているように思います。
これからの学会が、5年後、10年後を見据えて、それぞれの「私」の顔の見え
る学会として言語文化教育研究の新しい方向性を切り拓くことを願うものです。
(ほそかわ・ひでお:言語文化教育研究所八ケ岳アカデメイア・学会代表理事)
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■ おしらせ ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
━【参加者募集:2015年3月21日開催】━━━━━━━━━━━━━━━━━
言語文化教育研究学会 第1回年次大会(東洋大学)
テーマ「教室・学習者・教師を問い直す」
https://alce.jp/annual/#c1
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●日時: 2015年3月21日(土)9:30~19:00(9:00受付開始)
●場所: 東洋大学白山キャンパス1号館3階
●参加費: 会員無料(一般1、000円)※同時入会可
●事前申込: 不要
●プログラム: https://alce.jp/annual/program2014.pdf)
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━【発表者&参加者募集】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
言語文化教育研究学会 第2回研究集会 in 金沢
テーマ「人類学・社会学からみたことばの教育―言語教育における言語イデオ
ロギーを考える」
https://alce.jp/meeting/
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●発表申込締切:2015年4月4日
●参加申込締切:2015年6月21日
●日時: 2015年6月21日(日)10:00~17:30
●会場: 石川県政記念しいのき迎賓館
●主催: 言語文化教育研究学会
●定員: 100名(※先着順)
発表申し込み及び参加方法ほか詳細は、学会WEBサイト
https://alce.jp/meeting/
をご参照ください。
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誌 名:言語文化教育研究学会メールマガジン 創刊号
発行日:2015年2月25日
発行所:言語文化教育研究学会 事務局
〒187-8505 東京都小平市小川町1-736 武蔵野美術大学鷹の台
キャンパス三代純平研究室内
編集、発行責任者:言語文化教育研究学会広報・連携委員会 松井孝浩
お問い合わせ・情報掲載依頼:ezine@alce.jp