言語文化教育研究学会:Association for Language and Cultural Education

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第6号(2015年10月22日)

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言語文化教育研究学会メールマガジン 第6号
ALCE: Association for Language and Cultural Education

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■ 第6号:もくじ ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
--◆◇学会事務局より◇◆----------------------------------------------
「会員からの活動報告」を募集します

--◆◇会員からの一言◇◆----------------------------------------------
ALCEに入会して                        浅津嘉之

--◆◇月例会特別企画報告◇◆------------------------------------------
「ワークショップ:質的研究法―TEA(複線経路等至性アプローチ)」報告
                               三代純平

--◆◇会員からの活動報告◇◆------------------------------------------
「にほんご あいあい」のご紹介               福村真紀子

--◆◇おしらせ◇◆----------------------------------------------------
【参加者募集:10月24日】特別企画対談「居場所としての児童養護施設と学習
 支援室の意義―フィリピンと日本から子どもたちの生活と成長を考える」
【参加者募集:10月30日】第36回月例会「日本語教育はテクノロジーとどのよ
 うに付き合うべきか」岩崎浩与司氏
【参加者募集:11月14日】特別企画:多田孝志×細川英雄公開対談「教育実践
 における『対話』とは何か」
【発表者募集:11月24日締切】第2回年次大会:「多文化共生」と向きあう



■ 学会事務局より ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
「会員からの活動報告」を募集します
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第6号では、「会員からの活動報告」を掲載しました。会員のみなさまの教育
実践や、ボランティア活動などについて紹介したい方からの寄稿をお待ちして
しています。また、今後立ち上がる予定であるサークル活動の報告としてもぜ
ひご利用ください。どうぞよろしくお願いいたします。
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■ 会員からの一言 ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
ALCEに入会して
                       浅津 嘉之(同志社大学)
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今年3月に行われた第1回年次大会の時に入会しました。ALCEを知ったの
は、その年次大会の案内を見た時です。私は、ピア・レスポンスをICTを使っ
て行うという実践と分析をしているのですが、作文プロダクトの変化や、活動
プロセス、学習者の意識などを対象に分析していく中で、自分が見たいものは、
その活動に参加している学習者、つまり、「人」なんじゃないだろうか、と思
い始めていた頃でした。同時に、「人」を分析することの難しさとスケールの
大きさにも戸惑いを感じていました。どんなやり方で分析し、どんな方法で説
得力を出せばいいのだろう。10名いれば10通りの結果があるんじゃないだろう
か…。文献を漁りながら、関連学会の情報も集めていました。その時に出会っ
たのがALCEです。

参加してみると、プログラムから予想していたとおり、「人」を見ようとした
研究が多く、様々な方法を使って分析がなされ、発表されていました。その時
のキーワードは「共有」で、共有することが教師や学習者にとってどのような
意味があるかというようなことが議論されていたと記憶しています。印象に残
っているのは、当時の私から見るとかなり個別のケースなんじゃないかと思わ
れる研究を、参加者で意見を出し合い、議論していくという雰囲気であったこ
とです。質的研究の文献には、調査結果が別の状況にいかに適用できるかは調
査結果の利用者であるといったことが書かれていますが、まさにそういうこと
が目の前で展開されているようでした。

その後、6月の第2回研究集会ではポスター発表を行い、9月にはワークショ
ップに参加して、質的分析方法についてまたひとつ勉強してきました。ここで
も印象に残っていることがあります。それは、ポスター発表後の報告書では、
発表時に参加者との間で行われたやりとりと、そこから得られた知見をまとめ
る節を作るようになっていたことです。発表後は、終わってほっとするという
より、発表を通して自分が何を学んだか、しっかり考えて整理する機会となり
ました。発表を論文にするというのはよくあることかと思いますが、発表を通
して学んだことを、節を設けてまとめるよう学会から求められるというのは経
験がなかったので、非常におもしろく感じました。

入会してまだ1年にも満たないのですが、これまでを通して、ALCEという
学会は「自律促進型学会」なのではないかと思っています。ただ聞きに、見に
行くだけではなく、そこで議論に加わったり発表を行ったりすると、想像以上
の反応や出来事が起こり、頭や心が揺さぶられて次へと動かされる。学会はそ
うなるよう後押ししている。そのような印象です。ですので、ALCEには、
これからも、身分や経験の差を超えて、だれでも議論や発表に参加できる雰囲
気を大事にした企画と運営をしていただければと思います。

私の「人」に対する研究は始まったばかりで、まだまだどうしていいか分から
ないことだらけです。しかし、1つ1つを整理して発表し、みなさんと共有しな
がら次への新しい方向を見つけていくことが重要であり、教育実践を分析して
いく上でも欠かせないことなのではないかと考えています。それができる場と
して、これからALCEを活用していこうと思っています。
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■ 月例会特別企画報告 ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
ワークショップ「質的研究法―TEA(複線経路等至性アプローチ)」報告
                     三代 純平(武蔵野美術大学)
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9月5日に荒川歩氏を講師に迎え、質的研究法TEAのワークショップが開催
されました。本ワークショップは、今年2月に行われたデザイン・シンキング
のワークショップに続き、2回目のALCE主催のワークショップになります。

3月に行われた年次大会のアンケートにおいて学会員の要望として最も多かっ
たのが質的研究法のワークショップだったことから企画されました。当日の参
加者は、ライフストーリー研究に関心の高い方が多かったようですが、TEA
の考え方を知り、比較することで、ライフストーリー研究もより多角的な視野
で考えていけるのではないかと思います。

ワークショップは、TEAに関する講義を受けた後、各グループで、実際に
TEM図を作成するというものでした。各グループが積極的に議論しながらデー
タと格闘していた様子が印象的でした。普段、個々で試行錯誤しながら分析す
ることが多いと思いますが、グループで話し合いながらデータを分析する作業
は、それぞれの分析の観点を知ることができ、相互によい刺激になったと参加
者から伺いました。

また、ワークショップを通じて、学会員の交流が促進されたこともうれしく思
います。今後、このような企画をやってほしい、或いは、やりたいというご要
望がございましたら、ぜひ学会事務局()までご連絡ください。
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■ 会員からの活動報告 ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
「にほんご あいあい」のご紹介
                             福村 真紀子
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初めまして。福村真紀子と申します。私は、東京都日野市で、小さい子どもと
一緒に参加できる地域日本語活動を運営しています。今年で6年目になりまし
た。サークルの名前は「にほんご あいあい」です。参加者が和気あいあいと
対話をするイメージから名付けました。

「にほんご あいあい」は、日野市子ども家庭支援センターに「子育て支援サ
ークル」として登録されています。また、日野市社会福祉協議会に「ボランテ
ィア団体」として登録されています。活動の目的は、地域で生活する、いろい
ろな国の言葉や文化を背景に持つ人たちが対話を通して交流し、1つのコミュ
ニティをつくっていくことです。もちろん、日本人の参加者もいます。対話に
よって参加者が子育てなどのストレスから解放され、孤立から脱却できればい
いなあ、と思っています。

この地域日本語活動を実践していて、大きな気づきがありました。それは、日
本語にこだわることの危なさです。実践を始めたときは「親子日本語サークル」
という肩書の下、日本語による活動を軸にすることで、参加者同士の交流の先
に、日本語非母語話者の日本語学習支援を目指していました。しかし、そうす
ると来日直後の参加者は対話についていけず、対話の輪の外に追いやられてし
まいます。地域社会での孤立こそ、私が解決しようとしていた問題なのに、コ
ミュニティ構築を目指すサークル内で同じような状態になってしまっては元も
子もないのです。そこで、日本語ではなく、ダンスや料理や楽器の演奏、小物
づくりなど、その人が得意なことを活動のテーマとしたところ、サークルの中
心的な役割を担って積極的に活動に参加し、対話の機会と量も増えていくとい
う参加者の様子が見られました。このことから、人が孤立せず、他者との対話
を活性化させるには、その人らしさが他者に受容される場づくりが必要だと思
いました。そのためには、地域日本語活動は日本語による対話だけにこだわっ
ていてはいけないのです。

そんなわけで、現在「にほんご あいあい」では、月1~2回、1時間30分程度、
1つのテーマをめぐるおしゃべりの他に、料理会、ダンス、絵本の読み聞かせ
などをしています。ご興味があったら、ぜひ遊びに来てください。予約は不要
です。また、活動日は不定期です。「にほんご あいあい」のfacbookのページ
で活動日などを案内しています。
https://www.facebook.com/NihongoAiai
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■ おしらせ ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
━【参加者募集:10月24日】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
特別企画対談:「居場所としての児童養護施設と学習支援室の意義―フィリピ
ンと日本から子どもたちの生活と成長を考える」
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●対談者
澤村信哉氏:児童養護施設ハウス・オブ・ジョイ運営責任者(ダバオ・オリエ
 ンタル在住)
木村博之氏:横浜市国際交流協会国際交流ラウンジ担当課長(横浜市在住)
●司会
古屋憲章:言語文化教育研究学会事務局長、早稲田大学
●日時: 2015年10月24日(土)14:00~16:00
●場所: 早稲田大学 早稲田キャンパス22号館 7階715教室
●参加方法: 参加無料・事前予約不要
●対談者プロフィールなど(https://alce.jp/dat/spec15b.pdf)

この度、言語文化教育研究学会では特別企画として対談を開催いたします。
フィリピンと日本で子どもたちの居場所を創る活動を行っているお二人が、そ
れぞれどのような思いを胸に居場所創りに関わってきたか、そして、その難し
さや課題とは何かについて対談を行います。子どもたちの教育に関心を持つ方々
の来場をお待ちしています。
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━【参加者募集:10月30日】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
第36回月例会
日本語教育はテクノロジーとどのように付き合うべきか
発題者:岩崎浩与司氏(早稲田大学 博士後期課程)
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◆日時 :2015年10月30日(金)18:00~19:45
◆場所 :早稲田大学早稲田キャンパス22号館715教室
◆参加費:無料・予約不要(当日、直接会場にお越しください)

近年、インターネットや、スマートフォンなどのデジタルデバイスの普及によっ
て、新しいテクノロジーが急速に私たちの暮らしの中に入ってきています。そ
うした状況に伴い、教育の分野でも新しいテクノロジーを活用する流れが加速
しています。
例えば、遠隔教育や遠隔交流は、今まで出会うことのできなかった他者との出
会いを促進します。反転授業は、深い学びを実現するアクティブラーニングの
可能性を秘めています。MOOC( Massive Open Online Courses )は、高等教育
へのアクセスの機会を拡大します。
私は持続可能な社会を築くために、テクノロジーの導入と、それを活用した教
育が役立つと考えています。しかし、それと同時に、テクノロジーの使用は、
セキュリティーを始めとする様々な問題を抱えていることも事実です。また、
テクノロジーの使用が意味のある学習や教育にすぐにつながるとも限りません。
月例会では、私のこれまでの実践紹介、最近のEdTech (Education×Technology)
の議論などの話題提供とともに、以下のようなテーマについてディスカッショ
ンができればと思っています。
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━【参加者募集:11月14日】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
特別企画:多田孝志×細川英雄
公開対談「教育実践における『対話』とは何か」
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◆対談者
多田孝志氏(目白大学)
細川英雄氏(言語文化教育研究所)
◆日時 :2015年11月14日(土)15:00~18:00
◆場所 :早稲田大学早稲田キャンパス22号館715教室
◆参加費:無料・予約不要(当日、直接会場にお越しください)

本企画は、多田氏が本学会代表理事である細川氏の著作『研究活動デザイン』
(2012、東京図書)に出会い、細川氏が主張する教育研究の在り方や教育実践
の方法に共感したこと、そして、細川氏もまた多田氏の教育や研究についての
考え方に興味を抱いたことから実現しました。
多田氏は主に日本人児童を対象とする国際理解教育に、細川氏は主に外国人留
学生を対象とする日本語教育に、長年にわたり携わって来ました。教育対象や
教育現場という観点から捉えれば、両氏はそれぞれ種類の異なる教育活動に携
わって来たように見えるかもしれません。しかしながら、対話という概念を軸
に両氏がこれまで行ってきた教育実践を捉えようと試みると、そこに多くの共
通点を見出すことができます。
今回の対談では、多田、細川両氏が、これまで自身が行って来た教育実践をも
とに、教育実践における対話の意味や対話を軸とする今後の教育実践のあり方
に関し、語り合います。そこで出された話題や考え方などをもとに、教育実践
における「対話」に関し、参加者間で対話が巻き起こることを期待しています。
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━【発表者募集:11月24日(火)締切】━━━━━━━━━━━━━━━━━
言語文化教育研究学会 第2回年次大会
テーマ:「多文化共生」と向きあう
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◆発表者募集:2015年11月24日(火)締切

応募内容:言語・文化・教育に関わるもの(大会テーマ以外の内容も応募可能)
応募締切:2015年11月24日(日本時間23:59)
結果通知(予定):2015年12月下旬
応募資格:言語文化教育研究学会の会員であること

未入会の方は、応募2週間前までに入会手続きをお願いします。会員は、当該
年度の会費を応募2週間前までに納入してください。
◆応募先・お問い合わせ:annual@alce.jp(年次大会事務局)

言語文化教育研究学会では、第2回年次大会を、以下の要領で開催します。
◆日時:2016年3月12日(土)~13日(日)
◆場所:武蔵野美術大学
◆お問い合わせ:annual@alce.jp(年次大会実行委員会)

大会テーマ主旨
「多文化共生」と向きあう。私たちは、第2回年次大会のテーマをこのように
設定しました。
テーマ設定の背景にある問題意識には、現在の日本・世界において、多様性の
排除や異質なものに対する攻撃・排除がいたるところで起きているのではない
か、そして、その状況は年々悪くなっているのではないかということがありま
す。多様性や異質なものに対する無関心・無理解もあります。ことさらに取り
沙汰される多様性がある一方で、光が当てられない、語られない多様性があり
ます。
現在の日本社会には、多様なルーツ、背景をもつ人々が暮らしています。その
多様性は、社会を豊かにするための可能性であると私たちは考えます。しかし、
今の社会には多様性をうまく受け止められないために生じる問題も多く存在し
ます。ヘイトスピーチの問題などもその一つだと考えられます。また、目に見
える多様性―人種、ジェンダー等―は、多様性を単純化し、その過程でマイノ
リティを作り出します。
このような社会的状況の中、私たちは、今一度、「文化」とは何か、「多様性」
とは何か、そして、多様な文化的背景をもつ私たちが「共に生きる社会」をど
のように志向できるのか、そのためにことばの教育は何ができるのかをともに
議論したいと考えています。
(年次大会実行委員・シンポジウム企画担当:神吉宇一、佐藤慎司、三代純平)
◆シンポジウム1:「多文化共生」に対する私のとりくみ――多様なジャンル、
 アプローチのセッションから語る「多文化共生」の未来
 パネリスト: 杉山春、田室寿見子、藤田ラウンド幸世
 コーディネーター・司会:神吉宇一
◆シンポジウム 2:「多文化共生」と多様性――教育に何ができるのか
 パネリスト: 宇都宮裕章、南浦涼介、山西優二、ヤン・ジョンヨン
 コーディネーター・司会:佐藤慎司
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誌 名:言語文化教育研究学会メールマガジン 第6号
発行日:2015年10月22日
発行所:言語文化教育研究学会 事務局
    〒187-8505 東京都小平市小川町1-736
    武蔵野美術大学鷹の台キャンパス三代純平研究室内
編集、発行責任者:言語文化教育研究学会広報・連携委員会 松井孝浩
お問い合わせ・情報掲載依頼:ezine@alce.jp
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