2015年度 月例会
第40回(特別企画)講演会
外国にルーツを持つ子どもとことば――母語も日本語も失った子どもたち
講演:田中宝紀 氏(特定非営利活動法人青少年自立援助センター 定住外国人子弟支援事業部 統括コーディネーター)
日時: 2016年2月27日(土)15:00〜 17:00
場所: 早稲田大学早稲田キャンパス22号館 715教室[アクセス ]
参加費: 会員 1,000円,非会員 2,000円
申込締切: 2016年2月20日(土)[参加申し込み方法 > ]
お問合せ: monthly@alce.jp
チラシをダウンロード
外国にルーツを持つ子どもたちのことばの問題について考えるとき,母語と第2言語に年齢相応の発達が見られない状態であるダブルリミテッドの問題がしばしば取り上げられます。
講演者である田中宝紀氏が運営するYSCグローバル・スクールでは,母語も日本語も失った「シングルリミテッド」の状態にある子どもたちが散見されるようになってきています。これは,幼少期に来日したり,日本生まれ・日本育ちの子どもを外国人保護者が日本語のみで子育てしたりするケースによって起こっているものと考えられ,今後,2世・3世の子どもたちが成長するにしたがって,増加するものと予想されます。
今回の講演では,ダブルリミテッドと比較しつつ,シングルリミテッドの子どもたちの困難についての現状を報告し,その支援の方策について考えます。
参加申し込み方法
以下の内容をメール本文にご記入の上,monthly@alce.jp(月例会委員会)までお申込み下さい。
2月特別企画「講演会」参加希望
お名前
ご所属(よろしければ)
会員/非会員の別
申込先: monthly@alce.jp (言語文化教育研究学会・月例会委員会)
お申し込みと同時に,以下の口座に参加費の納入をお願いします。
※今年度分会費納入済の方。未納入の方は,今年度分会費を合わせてお振込みの上,その旨monthly@alce.jp(月例会委員会事務局)までお知らせください。
【a.ゆうちょ銀行で手続きする場合】
記号:00110-9
番号:450275
名義:言語文化教育研究学会
【b.ゆうちょ銀行以外の金融機関で,手続きする場合】
銀行名:ゆうちょ銀行(金融機関コード:9900)
支店名:〇一九店(ゼロイチキユウ店,店番:019)
口座種類:当座
口座番号:0450275
口座名義:言語文化教育研究学会
【お願い】
振り込みの際,振り込み人名義の前に「Feb ko」と入力してください。
振り込み人と申込者の名義は同一のものでお願いします。
送金にかかわる手数料はご負担ください(ゆうちょ銀行口座ATMからの「電信振替」は手数料無料です)。
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第39回(特別企画)
G.ザラト氏ワークショップ:自分のライフストーリーを解釈する――語学教師のための意義と方法
Interpréter son propre récit de vie : objectif et méthodologie pour les enseignants de langue
講師:ジュヌヴィエーヴ・ザラト氏(INALCO名誉教授)
日時: 2016年2月26日(金)16:00~ 18:00
場所: 早稲田大学早稲田キャンパス22号館715教室[アクセス ]
参加費: 無料
定員: 10名(ALCE会員に限ります)※[締切ました]
申込締切: 2016年2月5日(金)*定員に達し次第,締切りとさせていただきます。
お問合せ: monthly@alce.jp
共催: 言語文化教育研究学会,姫田麻利子科研(大東文化大学),大木充科研(京都大学)
当日の発表スライド
ヨーロッパの言語教育分野における「ライフストーリー」への関心の動向・レファレンス等をご紹介した後,参加者のみなさんには,各自のライフストーリーを振り返るきっかけとなるワークに取り組んでいただきます。(フランス語・逐次通訳付)
※この企画は定員20名のWSです。そのうちの10名をALCE会員から募集します。
講師紹介: Geneviève ZARATE
INALCO名誉教授。著作にHandbook of Multilingualism and Multiculturalism (Kramsch, C., Levy, D. との共編著, Edition des archives contemporaines, 2011) など。
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第38回(特別企画)
魔法使いの子どもの修行の旅――外国にルーツを持つ親子を支援する日本語と演劇のワークショップ
講師※:中山由佳 氏(早稲田大学),飛田堪文 氏(桐朋学園芸術短期大学),横田和子 氏(目白大学)※50音順
日時: 2016年1月23日(土)10:00〜 16:00
場所: 早稲田大学早稲田キャンパス22号館 8階会議室[アクセス ]
参加費: 会員 2,000円,非会員 4,000円
定員: 16名(申し込み先着順)[締切ました]
申込締切: 2015年12月20日(月)*定員に達し次第,締切りとさせていただきます。
お問合せ: monthly@alce.jp
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昨今,外国にルーツを持つ児童が日本の学校に通うことが,珍しくない状況になりつつあります。彼らのなかには言語や文化の壁を軽々と超え,日本人の友達を作り,優秀な成績を収めている児童もいますが,一方で日本語が全くわからず,あるいは友達が作れず,助けを必要としている児童もいます。さらには,諸事情により,全く学校に行くことができない児童もいます。
本学会では,そのような児童に対する支援の一環として,主に地域で活躍する日本語教師を対象に,外国にルーツを持つ親子のエンパワメントを目的とした日本語と演劇のワークショップを開催します。
参加申し込み方法 :締め切りました
以下の内容をメール本文にご記入の上,monthly@alce.jp(月例会委員会)までお申込み下さい。
Subject: 演劇ワークショップ参加希望
ご氏名
ご所属(よろしければ)
会員/非会員の別
(海外から送金を希望される方は「海外送金希望」とお書き添えください)
申込先: monthly@alce.jp (言語文化教育研究学会・月例会委員会)
先着順にて定員まで,受付完了メールをお送りします。受付完了メールが届き次第,参加費を以下のとおりお振込み下さい。
※今年度分会費納入済の方。未納入の方は,今年度分会費を合わせてお振込みの上,その旨monthly@alce.jp(月例会委員会事務局)までお知らせください。
【a.ゆうちょ銀行で手続きする場合】
記号:00110-9
番号:450275
名義:言語文化教育研究学会
【b.ゆうちょ銀行以外の金融機関で,手続きする場合】
銀行名:ゆうちょ銀行(金融機関コード:9900)
支店名:〇一九店(ゼロイチキユウ店,店番:019)
口座種類:当座
口座番号:0450275
口座名義:言語文化教育研究学会
【c.海外から手続きする場合】
追ってPaypalを通じご請求メールをお送りいたします。お支払にはPaypalを利用して,クレジットカードまたはPaypal決済にて送金いただけます。
【お願い】
振り込みの際,振り込み人名義の前に「WS」と入力してください。
振り込み人名義が登録会員名と違う場合,monthly@alce.jp(月例会委員会事務局)までご一報ください。
送金にかかわる手数料はご負担ください(ゆうちょ銀行口座ATMからの「電信振替」は手数料無料です)。
当日,振込票(または振込名義人であることが確認できるもの)を受付にてご提示ください。
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第37回月例会
言語教育における自律学習とその支援を考える――「わせだ日本語サポート」における支援実践を事例として
話題提供:千 花子(早稲田大学大学院日本語教育研究科),加藤 駿(早稲田大学大学院日本語教育研究科),古屋 憲章(早稲田大学日本語教育研究センター)
日時: 2015年12月18日(金)18:00〜 19:45
場所: 早稲田大学早稲田キャンパス22号館 715教室[アクセス ]
参加費: 無料
予約: 不要(当日,直接会場にお越しください)
お問合せ: monthly@alce.jp
詳細情報: チラシをダウンロード
関連:「わせだ日本語サポート」に関する情報
関連:言語教育における自律学習,自律学習支援に関する先行研究
青木直子,中田賀之(2011).学習者オートノミー――初めての人のためのイントロダクション.青木直子,中田賀之(編)『学習者オートノミー――日本語教育と外国語教育の未来のために』(pp. 1-22)ひつじ書房.
奥田純子(2012年5月12日).「日本語学習アドバイジング――その深さと大切さ」早稲田大学日本語教育学会2012春季大会企画講演会.スライド ,文字化資料
オレック,アンリ(2011).言語学習におけるオートノミー――単一の教育パラダイムか2つの教育パラダイムか?.青木直子,中田賀之(編)『学習者オートノミー――日本語教育と外国語教育の未来のために』(pp. 25-47)ひつじ書房.
河合靖(2000).外国語自律学習と学習者論『言語文化部紀要(北海道大学)』38,55-84.
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第36回月例会
日本語教育はテクノロジーとどのように付き合うべきか
話題提供:岩崎浩与司 氏(早稲田大学大学院日本語教育研究科)
日時: 2015年10月30日(金)18:00〜 19:45
場所: 早稲田大学早稲田キャンパス22号館 715教室[アクセス ]
参加費: 無料
予約: 不要(当日,直接会場にお越しください)
お問合せ: monthly@alce.jp
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内容
近年,インターネットや,スマートフォンなどのデジタルデバイスの普及によって,新しいテクノロジーが急速に私たちの暮らしの中に入ってきています。そうした状況に伴い,教育の分野でも新しいテクノロジーを活用する流れが加速しています。例えば,遠隔教育や遠隔交流は,今まで出会うことのできなかった他者との出会いを促進します。反転授業は,深い学びを実現するアクティブラーニングの可能性を秘めています。MOOC(Massive Open Online Courses)は,高等教育へのアクセスの機会を拡大します。
私は持続可能な社会を築くために,テクノロジーの導入と,それを活用した教育が役立つと考えています。しかし,それと同時に,テクノロジーの使用は,セキュリティーを始めとする様々な問題を抱えていることも事実です。また,テクノロジーの使用が意味のある学習や教育にすぐにつながるとも限りません。月例会では,私のこれまでの実践紹介,最近のEdTech(Education × Technology)の議論などの話題提供とともに,以下のようなテーマについてディスカッションができればと思っています。
テクノロジーによって何ができるようになるのか?
テクノロジーと社会の変化によって,教師の役割はどのように変わるのか?
日本語教育はテクノロジーとどのように付き合ってきたのか,また今後どのように付き合うべきか?
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第35回月例会
多文化共生と向き合う――表象行為から見えてくるリアリティ
話題提供:オーリ・リチャ氏(千葉大学)
日時: 2015年9月25日(金)18:00〜 19:45
場所: 早稲田大学早稲田キャンパス22号館 715教室[アクセス ]
参加費: 無料
予約: 不要(当日,直接会場にお越しください)
お問合せ: monthly@alce.jp
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内容
我々は世の中の「常識」に異常のこだわりを持ち,それを疑うことはほとんどない。水の存在が当たり前である魚のように,水の外にでなければそのリアリティに気付くことはない。我々も「常識」の枠を超えない限り,その「常識」が生み出す排除,ステレオタイプ,人種主義,差別等のリアリティに気付くことはないだろう。では,「常識」の枠を超える,とはどういうことなのだろうか。その答えを今回は表象に求めたい。
プロクター(2004/2006)の著書『スチュアート・ホール』によれば,表象について,ホールは「現実世界は表象の外部にある。しかし表象を通じてのみその現実世界に意味を持たせ,何かを「意味させる」ことができる。さらに,表象は反映ではなく構成的であり,それゆえ表象には現実の物質的な力がある」(プロクター,2004/2006,p. 201)と述べている。具体例を一つ紹介しよう。例えば,「○○国を紹介する」という行為は,ある国に関する「常識」をただ述べているだけの無害な行為ではなく,表象によってその国に「意味」を持たせており,何かを「意味させている」のである。これがHall(1997,p. 215)のいう‘the spectacle of the other’であろう。
今回は,上述した「○○国を紹介する」に類似した下記のようなテーマに関し,参加者とディスカションができればと思います。
1)□□人として振舞うこと
「日本人らしいですね」という「評価」。「□□人らしくない!」という「無害」な一言!「日本人」は私をいったいどういうアイデンティティーフレームに当てはめようとしているのか?
2)国籍とアイデンティティーコンフリクト
「お国はどちらですか」という「無害」な問い。しかし,その問いに答える度にアイデンティティーコンフリクトに陥ることがある。それはどういうことなのか。
3)The spectacle of the ‘other’
下記の参考文献3.をご参照ください。
参考文献
1.オーリ,リチャ(2015).「○○国を紹介する」という表象行為―そこにある常識を問う『2015年度異文化間教育学会第36回大会発表抄録』122-123.
2.プロクター,ジェームズ (2004) .小笠原博毅(訳)『スチュアートホール』青土社(Procter,James(2004).Stuart Hall.London: Routledge.)
3.Hall, Stuart (1997) .CHAPTER FOUR THE SPECTACLE OF THE ‘OTHER’, in Hall, Stuart (ed.) (1997).Representation: Cultural Representations and Signifying Practices. London: Sage Publications.
※下記の文献をお読みの上,ご参加いただければ,ディスカッションが更に深まるかと思います。
竹沢泰子(2009).総論 表象から人種の社会的リアリティを考える.竹沢泰子(編)『人種の表象と社会的リアリティ』(pp. 1-26)岩波書店.
オーリ,リチャ(2015).「○○国を紹介する」という表象行為―そこにある常識を問う『2015年度異文化間教育学会第36回大会発表抄録』122-123.
Hall, Stuart (1997) .CHAPTER FOUR THE SPECTACLE OF THE ‘OTHER’, in Hall, Stuart (ed.) (1997).Representation: Cultural Representations and Signifying Practices. London: Sage Publications.〔「1 INTRODUCTION」(pp. 215-228),「4 STEREOTYPING AS A SIGNIFYING PRACTICE,4.1 Representation, difference and power」(pp. 247-251),「5 CONTESTING A RACIALIZED REGIME OF REPRESENTATION」(pp. 259-269)〕
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特別企画Work Shop
「質的研究法:TEA(複線経路等至性アプローチ)」
講師:荒川歩氏(武蔵野美術大学)
日時: 2015年9月5日(土)14:00~ 17:30(多少の延長あり)
場所: 早稲田大学早稲田キャンパス22号館601教室
参加費: 会員1,000円,非会員2,000円
定員: 30名(先着順)
申込締切: 8月10日(月)※定員に達し次第締切ります
申込先: monthly@alce.jp[申し込み方法 > ]
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企画主旨
TEAは,時間の流れとシステムを捉えるという特徴を持ち,人びとのライフの過程や選択などを考察する質的研究法の一つです。今回,言語文化教育研究学会では,心理学を中心に急速に発展しているこの研究法のワークショップを企画しました。言語教育とは何か,それは,その教育に関わるものたちの生き方を考えずに論じることはできません。生きることと学ぶことの意味を捉えるための方法論について共に考えることができればと思います。(企画者: 三代純平,武蔵野美術大学)
企画概要
複線径路・等至性モデルで使われるTEM図はいろいろな書き方があり,「正しい書き方」があるわけではありませんが,初めて描く人は戸惑うことも多いと思います。そこで,今回のワークショップでは,荒川,安田,サトウ(2012)にそって,TEM図を描いてみます。参加予定者は,2015年8月31日までに「研究を始めてからTEMに関心を持つまでの経緯」というテーマで,時間順にきっかけ・出来事や考えの変化の経緯が分かるように600字程度(±200字)の文章を書いて,担当の荒川(arakawaアットマークmusabi.ac.jp)に送付してください。その際に,専任教員の方は専任になってからのおおよその年数,それ以外の方は院生・ポスドク・非常勤などの身分を書いてください。当日は班に分かれて皆さんの書いたこの文章をもとにTEM図を作成します。年数などの情報は同じくらいの人が同じ班になるようにするためにのみ用います。(講師: 荒川歩)
文献
荒川歩,安田裕子,サトウタツヤ(2012).複線経路・等至性モデルのTEM図の描き方の一例『立命館大学人間科学研究』25,95-107.
申し込み方法
メールにて,monthly@alce.jp(言語文化教育研究学会月例会事務局)まで,お名前をお知らせください。
申込をされると同時に以下の口座に参加費の納入をお願いします。事務局にて,ご入金が確認でき次第,参加申し込み受付完了のご連絡をさしあげます(入金後2週間経っても連絡がない場合はお手数ですが再度ご連絡ください)。
【a.ゆうちょ銀行で,入金手続きする場合】
記号:00110-9
番号:450275
名義:言語文化教育研究学会
【b.ゆうちょ銀行以外の金融機関で,入金手続きする場合】
銀行名:ゆうちょ銀行(金融機関コード:9900)
支店名:〇一九店(ゼロイチキユウ店,店番:019)
口座種類:当座
口座番号:0450275
口座名義:言語文化教育研究学会
【c.海外から送金する場合】
1.のメールに「海外からの送金」とお書き添えください。オンライン決済方法をご案内するメー ル をお送りします。『PayPal(ペイパル)』によって,クレジットカード(Visa,AMEX,JCB,Mastar Card,Discover※)またはPaypal決済で送金いただけます。(※クレジットカード情報は,PayPalが安全に一元管理し,当学会に知られることはありません。)
※送金にかかわる手数料はご負担ください(ゆうちょ銀行口座ATMからの「電信振替」は手数料無料です:2014年9月現在)。
※振り込み人名義が登録会員名と違う場合,monthly@alce.jp(月例会事務局)までご一報ください。
2015年8月31日までに,企画概要 に従って「研究を始めてからTEMに関心を持つまでの経緯」というテーマで,600字程度の文章を書いて,荒川氏(arakawaアットマークmusabi.ac.jp)まで送付してください。
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第34回月例会
インタビューにおける『語り』から見えた聴き手と語り手の関係性の変容—かつての日本人が語った『わたしの母国語』の意味の探求を手がかりに
話題提供:佐藤貴仁氏
日時: 2015年7月31日(金)18:00〜 19:40
場所: 早稲田大学早稲田キャンパス22号館 601教室[アクセス ]
参加費: 無料
予約: 不要(当日,直接会場にお越しください)
お問合せ: monthly@alce.jp
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内容
今回の月例会では,かつての日本人*であった一人の女性への縦断的インタビューをもとに,その「語り」および,インタビュー活動における聴き手と語り手の関係性の変容について,考察したものを発表します。
語り手の呉さん(仮名)は日本統治下の台湾で生まれ育った台湾人で,18歳で終戦を迎えました。その後の日本撤退による社会の転換に伴い,国籍ならびに,社会における使用言語が日本語から中国語に変更を余儀なくされた経験を持っています。この言語置換により,日本語が自由に使えなくなった状況が,のちの呉さんの人生にどのような影響を及ぼしたのかを探るべく,計4回のインタビューを行いました。その分析では,インタビューにおいて呉さんが繰り返し口にした「(日本語は)わたしの母国語」ということばの意味を主眼に探った結果,彼女にとっての「母国語」とは,それを失うことが,社会からの断絶を意味するものであり,同時に人生を支えるものでもあったことが分かりました。つまり,呉さんにとっての「母国語」は単なる意思疎通の道具ではなく,彼女の人格やアイデンティティをも包含していることが示唆されたのです。
このような結論が導き出された背景として,インタビューにおける「語り」の質が,回を重ねるごとに変化していったことが挙げられます。なぜなら,2回目以降のインタビューから,呉さんの言う「母国語」の意味が,単にコミュニケーションツールとしての言語という意味ではなく,彼女自身から切り離して考えられない不可分なものとして,解釈できる語りが出現したからです。では,実際それはどのような変化だったのでしょうか。
2回目以降のスクリプトを概観してみると,聴き手である私と,語り手である呉さんとの,互いの語りが交差し,2人の関係性が変容していった過程が見られました。一例を挙げると,1回目では一問一答のような形式的なインタビューだったものが,3回目では呉さんの話を遮って,聴き手である私が伝えたいことを語っている場面が見られます。それは,一方が聴きたいことを聴き,もう一方が聴かれたことに答えるという,いわゆるインタビューの域を超えた行為だと捉えることができます。相手の語りを受け止め,肯定するだけではなく,語りからさらに触発され,互いが主体的に聴き,語ることで,新たな関係性が生まれ,さらに,そうした関係性が生まれることで,より深い語りが出現したのではないでしょうか。つまり,インタビューとは単に聴き手が聴き,語り手が答えることではないと言えるでしょう。
月例会では,呉さんが繰り返し口にした「母国語」の意味に加え,「インタビューとは何か?」ということについて,具体例をもとに皆さんと一緒に考えたいと思っています。
* 日本統治時代の台湾で,台湾教育令(1919年)発令以降の日本教育を受けた台湾人を指す
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第33回月例会
英国の演劇教育理論を導入した市民性育成のための日本語教育――英国公立小学校での実践報告
発題者:福島青史氏(元国際交流基金ロンドン日本文化センター日本語教育チーフアドバイザー),飛田勘文氏(桐朋学園芸術短期大学演劇専攻非常勤講師)
日時: 2015年6月26日(金)18:00~ 19:40
場所: 早稲田大学早稲田キャンパス22号館601教室[アクセス ]
参加費:無料
予約: 不要(当日,直接会場にお越しください)
お問い合わせ:monthly@alce.jp
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発題要旨
第33回月例会では発表者が2014年11月~2015年1月に,6回にわたって英国ロンドンの公立小学校(4年生)で行った「英国の演劇教育理論を導入した市民性教育のための日本語教育」について報告します。英国では2014年9月から初等教育段階での外国語教育が必修となり,発表者の一人である福島は2013年10月より小学校の現場で日本語教育の実践をしながら教材を作成してきました。英国の教育現場での経験から,英国の初等教育における日本語教育は語学教育というよりむしろ市民性育成を目的としたほうが適切であると考え,CEFR,Content and Language Integrated Learning(CLIL)などを参考にしながら,教材を作成しました。その際,英国の大学で演劇教育の博士号をとったもう一人発表者である飛田と出会い,英国の演劇教育の理論が市民性教育としての日本語教育に利用できるのでは考え,1年ほどの議論と準備を経て6回の実践をすることができました。
1950年代以降,英国では,演劇が教育方法として積極的に用いられています。その発展のなかで,英国の研究者たちは,演劇の表現とその表現に対する理解の問題や,認知能力と非認知能力(コミュニケーション能力,共感的理解,創造力など)の育成の問題を取り上げてきました。1990年代には,演劇の手法をシステム化し,各手法の教育的効果について研究を重ねました。本テーマとの関係で言えば,ナショナル・カリキュラムにおいて,演劇が国語(英語)の一部に位置付けられていることから,研究者らは,社会言語学やクリティカル・リテラシーの観点から演劇と言語の関係を探りました。また,市民性教育が導入されて以降は,ラディカル・デモクラシーの理論を基盤にして演劇教育の理論を構築・展開しています。よって,今回の事例は,語学教育,演劇教育,市民性教育の接点における実践であると言えます。
月例会では,①「なぜ,英国の初等教育の日本語教育が語学教育ではなく市民性教育なのか」②「英国演劇教育の概要と言語教育との接点」,③「『泣いた赤鬼』を利用した日本語教育実践と演劇的手法の実際」とし,教室場面の映像なども加えて紹介したいと思います。
この教育実践はたった一回しか行われず,課題の多いものですが,日本の初等教育における外国語教育や年少者教育について考えたり,日本語教育における従来のスキットやシナリオ・ドラマとは異なる演劇的手法のバリエーションを考える機会となればいいと考えています。いろいろな現場,教育理念を持つ皆さんの参加をお待ちしています。
背景 英国のカリキュラム改革と外国語教育(福島)
市民性育成としての言語教育の理念と目標(福島)
演劇教育の歴史とその目的(飛田)
『泣いた赤鬼」を利用した日本語教育実践(飛田)
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第32回月例会
外国人犯罪者を生み出さないために日本語教育ができることは何か
日時: 2015年5月29日(金)18:00~ 19:40
場所: 早稲田大学早稲田キャンパス22号館601教室[アクセス ]
参加費:無料
予約: 不要(当日,直接会場にお越しください)
お問い合わせ:monthly@alce.jp
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発題要旨
私の研究テーマは,「刑事施設における日本語教育は誰のためのものなのか――外国人受刑者に対する日本語教育の現状と課題」であり,刑務所内の日本語教育の在り方を調査し,それについて考察するというものです。また,私が特に関心を寄せている外国人受刑者の属性は,出所後に退去強制処分を受けることなく,引き続き日本に在留する可能性がある,居住資格に該当する者です。居住資格とは,永住者,日本人の配偶者等,永住者の配偶者等,定住者といった身分又は地位に基づく在留資格です。
私は,主に外国人又は外国人と何らかの関係のある日本人から依頼を受け,行政機関に対し,許認可等を求める書類を作成・提出する行政書士として活動していますが,特に頻度の高い業務は東京入国管理局が書類の提出先となるものです。その業務の中の1つに,外国人犯罪者(行政法,刑法等違反者)による在留特別許可の願出というものがあります。私は在留特別許可に関する手続を通じ,居住資格に該当する外国人犯罪者に出会ってきましたが,彼らは概して,継続的な教育を受けた経験がないので,基礎学力及び日本語能力が低いという特徴を持っています。仮に彼らが在留特別許可を受けて引き続き日本に在留することができたとしても,就職や就学等の社会参加が極めて困難な状況です。
また,こうした外国人犯罪者の日本在留を時間軸で見ていくと,社会参加に必要な日本語教育支援を受けるべき時期は,制約の多い服役期間中というよりはむしろ,犯行前及び社会復帰後です。従って,彼らが我々の住む地域社会にいるときに,日本語教育の専門家はこれまでの知見や実践経験を活かしながら直接,彼らが社会参加するための支援を行うべきなのではないでしょうか。例えば,私が帰化許可申請手続の際に出会った方は,元々不法就労目的の就学生として来日したものの,日本語教師との交流を通じて更生した結果,日本の大学を卒業し,今では大手金融機関の社員を務めるまで大きな変容を遂げました。
以上のような現状を踏まえ,外国人犯罪者又は不良外国人を生み出さないために日本語教育ができることは何かについて,具体的な事例も示しながら考えてみたいと思います。
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第31回月例会
私は日本語教師なのかという疑問――技術研修生・EPA介護福祉士候補者・留学生の日本語教育経験から
発題者:野村愛氏(早稲田大学大学院日本語教育研究科)
日時: 2015年4月24日(金)18:00~ 19:40
場所: 早稲田大学早稲田キャンパス22号館601教室[アクセス ]
参加費:無料
予約: 不要(当日,直接会場にお越しください)
お問い合わせ:monthly@alce.jp
発題要旨
今回,この会で発表することになったきっかけは,大学や日本語学校で留学生を対象に日本語を教えてきた方と,お互いの日本語教育経験について話したときに,「私ははたして日本語教師なのだろうか」という疑問が生まれたことでした。
私はこれまで,工場や農場の研修生,経済連携協定で来日した介護施設で働く介護職員を対象とした日本語教育に携わってきました。所属は,日本語学校ではなく,協同組合,株式会社,社会福祉法人でした。
現在は,大学で日本語を教えていますが,同じ日本語教育でも,私がこれまで携わってきた日本語教育と,留学生を対象とした日本語教育とはずいぶん違います。たとえば,留学生を対象とした日本語教育が行われている大学や日本語学校では,日本語教師がいて,教材があり,決められたカリキュラムがあるのは当たり前ですが,社会福祉法人や介護施設の職員として日本語教師がいるのは当たり前のことではありません。
本発表では,私のこれまでの日本語教育の経験について話題提供させていただき,改めて「日本語教師」とはなにかについて考えたいと思います。
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