言語文化教育研究学会:Association for Language and Cultural Education

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2025年度 例会

【第104回:8月11日】「トガル」ための評論対話リターンズALCE Webマガジン『トガル』 特集「トガル」ための100作品まで後77作品

ALCE Webマガジン「トガル」では、特集として「「トガル」ための100作品」の掲載を継続しており、現在までに23作品が「トガル」誌上で紹介されています。本特集では、広くことばの教育に携わるみなさまから「トガル」ためにおすすめの作品(本、漫画、映画、演劇、演芸、楽曲、芸術作品等)を挙げていただいたうえで、その結果を「トガル」ための100作品として誌上で公開する予定です。そのため、現在、「トガル」誌上で「トガル」ための100作品を収集するためのアンケートを実施中です。アンケートの質問は次のとおりです。

  • 自分がことばの教育を行ううえで、影響を受けた作品(本、漫画、映画、演劇、演芸、楽曲、芸術作品等)を教えてください。可能であれば、どのような影響を受けたかもお書きください。
  • ことばの教育に携わる人として、読んでおく/観ておく/聴いておくことを勧めたいと思う作品(本、漫画、映画、演劇、演芸、楽曲、芸術作品等)があれば、教えてください。可能であれば、読んでおく/観ておく/聴いておくことを勧めたいと思う理由もお書きください。

本例会では、この特集の連動企画として、ことばの教育に携わる者としての自身にとって重要な作品を媒介にお互いの言語教育観に関し対話する機会を設けることを目的に、「「トガル」ための評論対話」を開催します。なお、本企画は第87回、第93回、第98回例会に続く第4弾となります。

評論対話とは

「評論対話」とは、自身の価値観や生き方に深い影響を与えた作品を媒介に対話する活動です。対話者たちがおすすめ作品を持ち寄り、1人5分の持ち時間で紹介した後、対話者と観客でどの作品を一番読みたく/観たく/聴きたく/体験したくなったかを話し合います。

※本「評論対話」を企画するにあたり、知的書評合戦ビブリオバトルを参考にしました。

求む! 対話者

本例会では、ことばの教育に携わる者としての自身にとって重要な作品を持ち寄り、その作品の魅力を紹介する対話者を募集しております。なお、評論対話でご紹介いただく作品は、本に限りません。本以外の作品(漫画、映画、演劇、演芸、楽曲、芸術作品、ゲーム等)のご紹介も大歓迎です。

対話者として参加を希望される方は、こちらのアンケートにご回答のうえ、「コメント」欄に「対話者希望」と明記し、紹介したい作品をお書きください。折り返し、ALCE企画委員会より詳細をご連絡いたします。

【第103回:7月26日】遊ぶヴィゴツキーとアリス in 早稲田わんだ~ランド

5年ぶりの対面だけの開催です

話題提供者
梁 梨花(やん りふぁ)さん(公立中学校国語科教員/慶應SFC博士課程院生)

ロイス・ホルツマンの「遊ぶヴィゴツキー」の理論に学びながら、公立中学校の「国語科」の「古典」や「民話」、「世界文学」を題材にした演劇的創造の授業実践事例について意見を交流する会です。テーマは~「異世界」を想像する~。

ことばとアート、演劇教育やプレイフル・ラーニング、単元学習、国語科教育や、「国語教育」と「日本語教育」の境界、「共生」に関心のある方、ぜひ、昼下がりの早稲田大学に集まり、想像と創造の世界で遊びませんか? 例会後、自由参加のお茶会ありです☕

【第102回:5月10日】「年齢」から言語教育を問い直す日本語教育とエイジズム、年齢性との関連から


話題提供者
吉井雄樹さん(関西学院大学大学院)

日本語学習者とは「何歳」でしょうか。「人種」やエスニシティ、ジェンダーの視点から言語教育を問い直す試みがみられるようになりました。一方で、「年齢」の視点から問い直されることはあまりなかったのではないでしょうか。数少ない先例には、「『あの子』問題」として問題提起されたものがあります(古屋,2025[2012]);つながろうねっト(有森ほか),2013;勝部,加藤,2024)。この議論のなかでは、成人学習者を「子ども」扱いしたり、逆に自分より年上の学習者を「おっさん/おばさん」扱いしたりすることに対して意見が交換されています(つながろうねっト(有森ほか),2013)。このような年齢に基づく関係性は、固定的な「教師‐学生」関係につながることも考えられます。そのため、「日本語学習者を社会的な存在として捉える」言語教育観(文化審議会国語分科会,2021)を本来の意味で達成するための障壁になることも考えられます。

そこで、本例会では、日本語教育を事例に「年齢」の視点から言語教育に対して問題提起を行い、みなさんと一緒に批判的に内省し、今後の言語教育を考える機会を提供したいと考えています。一歩立ち止まって考えてみると、「年齢」には“不思議なこと”がたくさんあります。それは社会のなかで何らかの「常識的な」想定があり、それが年齢に関連する矛盾を見えなくするためだと思います。そのような「常識的な」想定を一緒に見つめ直し、言語教育の実践を見直す機会にできればと思います。具体的には、次のような2つの活動から成るワークショップを考えています。

  1. 久保田(2008)の4Dアプローチを参考に、(1) 記述的、(2) 多様的、(3) 流動的、(4)言説的な年齢の側面に着目した活動(吉井,2024;岡本ほか,2024)
  2. 1.を踏まえて日本語教科書の記述について再考する活動

「年齢」に関連する「常識」にはどのようなものがありますか? それが言語教育にどのように影響するでしょうか? 本企画では、主な事例を日本語教育の文脈から示しますが、広く言語教育を「年齢」の視点から一緒に考えてみたいと思います。

参考文献

【第101回:4月25日】共生社会で見える風景とは?多様な人どうしの関わり方を考える

話題提供者
倉沢 郁子さん(関西外国語大学)
ゲスト
中岡豪さん(Community & Coworking HOOP! 代表)

日本語教育において「共生社会」に向けた教育実践が多く行われています。

わたしたちはどのような「共生」をイメージして、教育実践をしているのでしょうか。どうあれば「共生」なのでしょうか。そして、その向かう先はどこなのでしょうか。

本例会では、まず話題提供者(倉沢)が勤務校の上級日本語クラスで実施している地域連携プロジェクトについて、プロジェクトの共同パートナーである中岡豪さんとともに話題提供します。その中で、わたしたちがプロジェクトを始める時にイメージしていた「共生」のあり方、また現在の状況をそれぞれの視点から報告します。

その後、参加者のみなさんがイメージする「共生」とはどういうものかをグループで話してもらい、最後に全体共有する時間としたいと思います。本企画が参加者のみなさんにとって「共生のあり方」をあらためて考える場となればと考えています。