【1月9日~2月27日】共生社会のための日本語教育
2020年日本語教育学会秋季大会パネル発表①議論の続き ― 4回連続場外乱闘編
11月28日(土)に行われた2020年度日本語教育学会秋季大会におけるパネルセッション①「共生社会のための日本語教育」[パネルセッションの目的と流れ]のパネリスト4名が,学会開催時の質疑応答の30分で議論しつくすことのできなかった各自の発表内容について,公開で議論し,討論する。本特別企画の参加者もパネリストと対等な立場で議論に加わり,日本語教育の目的,「共生社会のための」日本語教育の在り方について,徹底的に議論を深める。
日本語教育学会で発表した本パネルの目的は,共生論の枠組みで日本語教育を構想することを提言することである。日本語教育の枠組みがダイナミックに変容しつつある現在「外国人にどのように日本語を教えるのか」といった「教え方」の問題から「どのような社会を目指して日本語教育を実践するのか」という社会構想としての日本語教育の実践と研究が必要とされている。言語教育,共生論,言語政策のそれぞれの立場から,共生社会のための日本語教育にどのような視座が必要か,提言することが本特別企画の目的である。また,本特別企画においては,より多くの時間を割いて,オンライン上で公開型の討論を行うことにより,各パネリストから提供される話題についてより深い議論が展開できることを期待している。
本特別企画の各回の概要は次のとおりである。
第1回:目的論の不在を乗り越えるための共生社会とWell-being
細川 英雄(ほそかわひでお)さん
言語文化教育研究が専門領域の細川が,これまでの日本語教育の流れを総括して日本語教育の目的論の不在について論じ,それを乗り越える視点として,共生社会のためのWell-beingの思想について論じる。[スライドをダウンロード]
第2回:共生社会と二つの人権原理
金 泰明(きむてみょん)さん
共生論/人権論が専門領域の金泰明が,近代の西洋哲学を基盤として,共生社会と二つの人権原理―価値的人権とルール的人権の原理について述べる。[スライドをダウンロード]
第3回:日本語教育と言語権
杉本 篤史(すぎもとあつぶみ)さん
言語政策を専門領域とする杉本が,言語権の観点から,日本語教育推進法の問題点を論じ,日本語教育界における言語権の保障について問題提起を行う。[スライドをダウンロード]
第4回:共生社会のための日本語教育実践としての本質観取
稲垣 みどり(いながきみどり)さん
これまでの議論を踏まえて,そのような共生社会の思想や原理を日本語教育の実践にどのように文脈化するか,言語文化教育が専門領域の稲垣が具体的な実践例について報告する。[スライドをダウンロード]
参加者のみなさまへのお願い
本特別企画は,「共生社会のための日本語教育」というテーマにもとづき,各回の話題提供が相互に関連するように構成されています。
そのため,事前に[パネルセッションの目的と流れ],および第1回~第4回のスライドに目をとおしたうえで,ご参加いただければ,当日により充実した議論ができるかと思います。
よろしくお願いいたします。