18回研究会@徳山:2013年12月14日(土)
テーマ「"つなげること","断ち切ること"とことばの教育」
2013年最後の言語文化教育研究会は,徳山大学(山口県)で実施します。テーマは「"つなげること","断ち切ること"とことばの教育」です。
言語教育の場では,しばしば,コミュニケーションを通じて相互理解を促進したり,様々なつながりを築くことを目指すのだ,と言われます。しかし相互理解やつながりは常に揺れ動くものであり,一度築いた結び目がまた,コミュニケーションを通じてほどけていくこともあるはずです。コミュニケーションは常に,この"つなげること","断ち切ること"という双方の可能性を含みこみながら存在するものだと私たちは考えます。
"つなげること","断ち切ること"というテーマはまた,近年重視されている「連携」「協働」「地域」などのキーワードとも深い繋がりがあります。「連携」とは何をつなげようとしているのか(その影で断ち切られているものはないか),「協働」が目指すものとは何か,「地域」にどのようなつながりと断絶があるのか。こうした問いもまた,"つなげること","断ち切ること" という概念から考えていくことができるのではないでしょうか。
プログラム
第1日目:12月14日(土)13:00~17:25
13:00 | 開会挨拶,趣旨説明 |
セッション1:媒介・システム・癒し・抵抗 | 司会:古屋憲章 |
13:15 | 「メディエーター」再考――外国人妊産婦の不安を癒すために | 工藤育子(早稲田大学) |
13:35 | メインストリームへの抵抗として学校日本語教室は成立しうるか――「規範化」のはざまにある教室の「つなぎ」と「わかち」 | 南浦涼介(山口大学) |
13:55 | 議論 |
14:25 | 休憩 |
セッション2:地域・グローバル化・ローカル化・複文化 | 司会:鄭京姫 |
14:45 | 日本語教育における地域化――香港の現状からの一考察 | 瀬尾匡輝(香港理工大学) |
15:05 | 「論争上にある問題」(Controversial Issues)と複言語・複文化主義的な教育―実践「この海/이바다を考える」の展開から | 山本冴里(山口大学) |
15:25 | 議論 |
15:55 | 休憩 |
セッション3:言葉・歴史・物語・意味 | 司会:山本晋也 |
16:15 | 教室において「日本と私の関係」を総括することの意義――卒業を控えた日本語専攻フランス人大学生が述べた「人間的な成長」をめぐる考察 | 原伸太郎 |
16:35 | 「言語」の意味を物語る――忘れさられた言語から歩み寄ることばへ | 鄭京姫(早稲田大学) |
16:55 | 議論 |
17:25 | 第1日目終了 |
第2日目:12月15日(日)9:00~12:40
セッション4:教室の内と外(1)・自己・他者・協働 | 司会:三代純平 |
9:00 | 多文化グループワークにおける協働から見る「つなげること」と「断ち切ること」 | 李暁燕(九州大学) |
9:20 | 教室で言葉はつなげられるか――つなげることができなかった実践と現在 | 家根橋伸子(東亜大学) |
9:40 | 議論 |
10:10 | 休憩 |
セッション5:教室の内と外(2)・環境・専門科目・アクションリサーチ | 司会:原伸太郎 |
10:25 | 専門科目と留学生を「断ち切る」ものは何か | 山本晋也(徳山大学) |
10:45 | 留学生に関わる個人・組織をつなぐアクションリサーチ――ノットワーキングとしての教室外日本語学習環境整備プロジェクト | 古屋憲章(早稲田大学) |
11:05 | 議論 |
11:35 | 休憩 |
セッション6:市民性教育・評価 | 司会:山本冴里 |
11:50 | 評価,その分断と統合――市民性教育のための評価とアセスメントの考え方 | 細川英雄(言語文化教育研究所/早稲田大学) |
12:40 | 閉会 |
参考:発表募集要領
互いの声が届きやすい場での深い議論を実現するために,言語文化教育研究会@徳山では,1発表20分につき,通常より長い20分という議論の時間をとりたいと思います。議論への積極的な参加をお願いします。発表を希望される方は,下記申し込み先まで,メールにて1200字程度の概要をお寄せください。お待ちしています。
- 発表申し込み締め切り
- 2013年11月30日
- 本セッションに関する問い合わせ・発表申し込み先
- 山本晋也(徳山大学)yamamoto_s@tokuyama-u.ac.jp
- 山本冴里(山口大学)saeri_y@yamaguchi-u.ac.jp