言語文化教育研究学会:Association for Language and Cultural Education

2015年度特別企画

多田孝志×細川英雄 公開対談
「教育実践における『対話』とは何か」

企画主旨

本企画は,多田氏が本学会代表理事である細川氏の著作『研究活動デザイン』(2012,東京図書)に出会い,細川氏が主張する教育研究の在り方や教育実践の方法に共感したこと,そして,細川氏もまた多田氏の教育や研究についての考え方に興味を抱いたことから実現しました。

多田氏は主に日本人児童を対象とする国際理解教育に,細川氏は主に外国人留学生を対象とする日本語教育に,長年にわたり携わって来ました。教育対象や教育現場という観点から捉えれば,両氏はそれぞれ種類の異なる教育活動に携わって来たように見えるかもしれません。しかしながら,対話という概念を軸に両氏がこれまで行ってきた教育実践を捉えようと試みると,そこに多くの共通点を見出すことができます。

今回の対談では,多田,細川両氏が,これまで自身が行って来た教育実践をもとに,教育実践における対話の意味や対話を軸とする今後の教育実践のあり方に関し,語り合います。そこで出された話題や考え方などをもとに,教育実践における「対話」に関し,参加者間で対話が巻き起こることを期待しています。

企画者:横田和子(目白大学),古屋憲章(早稲田大学)

プログラム・発題要旨

  1. 企画者より企画趣旨説明
  2. 発題(質疑応答)
  3. 両発題者による対談「教育実践における『対話』とは何か」(質疑応答)

※本企画は,ライブ・ストリーム中継を予定しております。

対談者紹介

多田 孝志(ただ たかし)
専門は対話論,国際理解教育論。1945年生まれ。上越教育大学大学院修士課程修了。東京都小学校教諭,海外日本人学校・補習授業校・カナダ公立学校教諭,目白学園中学・高等学校教諭等を経て,現在,目白大学人間学部児童教育学科教授(学部長・学科長)。日本学校教育学会前会長,日本国際理解学会元会長,日本グローバル教育学会常任理事。主な著書『対話力を育てる』『共に創る対話力』『授業で育てる対話力』(以上,教育出版),『光の中の子どもたち』(毎日新聞社),『「地球時代」の教育とは?』(岩波書店)など。
細川 英雄(ほそかわ ひでお)
1949年東京都生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士課程単位取得,博士(教育学)。早稲田大学名誉教授。現在,言語文化教育研究所八ヶ岳アカデメイヤ主宰。研究分野は言語文化教育学,日本語教育。学習者主体の言語教育理論を展開し,言語活動主体としての言語話者のあり方について「ことばの市民」という概念を提案している。著書は『日本語教育は何をめざすか』(明石書店),『研究活動デザイン』(東京図書),『ことばの市民になる―言語文化教育学の思想と実践』(ココ出版)など多数。

対談 澤村信哉氏,木村博之氏
「居場所としての児童養護施設と学習支援室の意義――フィリピンと日本から子どもたちの生活と成長を考える」

対談者
澤村信哉氏:児童養護施設ハウス・オブ・ジョイ運営責任者(ダバオ・オリエンタル在住)
木村博之氏:横浜市国際交流協会国際交流ラウンジ担当課長(横浜市在住)
司会
古屋憲章:言語文化教育研究学会事務局長,早稲田大学

この度,言語文化教育研究学会では特別企画として対談を開催いたします。フィリピンと日本で子どもたちの居場所を創る活動を行っているお二人が,それぞれどのような思いを胸に居場所創りに関わってきたか,そして,その難しさや課題とは何かについて対談を行います。子どもたちの教育に関心を持つ方々の来場をお待ちしています。

対談者略歴

澤村信哉(さわむら しんや)氏
  • 児童養護施設ハウス・オブ・ジョイ,運営責任者(ダバオオリエンタル在住)

1976年北海道生まれ。千葉育ち。横浜国立大学教育学部卒。専門は年少者向けの日本語教育。卒業後はフィリピンの小学校,大学で日本語教師,日本語教育コンサルタントとして働き,教科書作成や教員養成にも携わる(7年)。その後,ブルガリアの小学校でも日本語教師として働く(2年)。2008年,ハウス・オブ・ジョイ創設者の烏山氏が倒れたことを機に,誘いを受けてフィリピンに戻り,以後,HOJの運営スタッフとして働く。HPやブログの開設,アフェリエイトやクリック募金,クラウドファンディングといったITを活用した運営費確保や,滞在者の受け入れ,日本の支援者向けの広報活動などを主に担当する。特技は20種類以上の楽器演奏と,自身の収入源でもある似顔絵描き。

主な講演内容:「海外の児童養護施設の現場から」フィリピン,ミンダナオ島の孤児院「ハウス・オブ・ジョイ」の概要,そこにいるこどもたちの状況,現在行っているプロジェクトなどを紹介し,そこで働くスタッフとしての思いと,なぜそこで働くのかを,自身の経験を元に語る。

木村博之(きむら ひろゆき)氏
  • 横浜市国際交流協会・国際交流ラウンジ担当課長(横浜市在住)

1959年横浜生まれ。学習院大学法学部卒業。横浜市国際交流協会勤務。80~90年代は「アジア地域経済交流横浜会議」「横浜アジアフェスティバル」「青少年国際交流セミナー」「横浜フィリピン映画祭」「横浜ベトナム映画祭」「横浜インドネシア映画祭」等の企画に関わり,アジア各国との交流事業を担当。2000年以降は,横浜在住の外国人を対象とした「多言語相談」「日本語学習」「外国にルーツをもつ子どもの居場所/学習支援」等を担当している。

【公益財団法人 横浜市国際交流協会】1981年に設立された横浜市の外郭団体。2000年に横浜市海外交流協会から横浜市国際交流協会に名称変更。設立当初は横浜市の海外8つの姉妹都市との交流事業がメインだったが,在住外国人の増加に伴い地域に住む外国人を対象にした事業にシフト。多言語相談,多言語情報誌の発行,外国にルーツをもつ子どもの学習支援,日本語教室の運営,通訳派遣他の事業を行っている。みなとみらい本部の他に「中区」「南区」「鶴見区」の3区の国際交流ラウンジ,「横浜市国際学生会館(留学生会館)」の管理,運営を行っている。

司会:古屋憲章(ふるや のりあき)
  • 言語文化教育研究学会事務局長,早稲田大学

早稲田大学大学院日本語教育研究科修士課程修了。修士(日本語教育学)。日本語学校講師,早稲田大学日本語教育研究センター常勤インストラクター等を経て,2014年より早稲田大学日本語教育研究センター助手,武蔵野美術大学非常勤講師。研究テーマは,日本語教育研究における「実践研究」の研究,言語学習環境デザイン。詳しい研究業績等に関しては,こちらのページを参照。