言語文化教育研究学会:Association for Language and Cultural Education

月例会

言語文化教育研究学会では,基本的に月に1回,月例会を開催しています。あるテーマをめぐり,提供された話題をもとに議論を行うことで,今後の言語文化教育研究の発展につなげていくことを目的としています。

第52回
「汎ヨーロッパレベルで,いま何が言語教育研究の課題となっているのか――欧州現代語センター(ECML/CELV)滞在報告」
山本冴里さん

  • チラシ 日時: 2017年6月23日(金)18:00~19:45
  • 会場: 早稲田大学 早稲田キャンパス 22号館 512教室[アクセス
  • 参加費: 無料
  • 予約: 不要(当日,直接会場にお越しください)
  • お問い合わせ: monthly@alce.jp(月例会委員会事務局)
  • チラシをダウンロード

話題提供: 山本冴里(山口大学)

私は2017年3月の下旬から4月はじめにかけて欧州現代語センター(European centre for modern languages/ Centre Européen pour les langues vivantes)に滞在する機会を得ました。これは,CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)」など日本でも波及力を持つ言語教育の枠組みをつくった欧州評議会の下位組織です。

欧州評議会では,言語教育政策を練るのは,言語政策局という部局です。それに対して欧州現代語センター(ECML/CELV)は――プログラム統括責任者であるSusanna Slovensky女史の言葉を借りれば,「研究や理念,政策と教育現場の実践をつなぐこと」を使命としています。

CEFRとおなじく,欧州評議会の提案した文書のなかに,『ヨーロッパ言語教育政策策定ガイド』があります。日本語版は2016年5月に拙訳で出版されていますが,私は,これを訳していく過程で,幾度も,「現実は今どのようであり,どのように変えていこうとされているのか」ということを知りたく思いました。たとえば6章10節では「あらゆる言語教育の間での協調と効果的な連携」が重要視されているのですが,では,その具体的な方策はどのようにして考えられ,どのように伝えられていくのか,といったことを間近で見てみたくなったのです。

欧州現代語センターに打診してみたところ快諾をいただき,滞在中は,許される範囲で,センターで次々に開催される専門家の打ち合わせや,教師養成のワークショップづくりに陪席しました。また,専門職員の方にインタビューを行いました。

月例会では,

  1. 欧州現代語センターとは
  2. そのプロジェクトテーマは何で,どのように決められるのか
  3. プロジェクト例の紹介――言語・文化の多元的アプローチのための参照枠(CARAP/FREPA)の場合

の順で,滞在中に学んだ事柄について報告します。そのうえで,

  1. 会場の皆さんと一緒に,〈北東アジアで,できること〉

を考えていきたいと思います。

北東アジアには,欧州評議会に相当する超国家組織はありません。欧州現代語センターに相当する,(各国家ごとではなく)アジアでの言語教育をより民主的なかたちで充実させていこうとする機関も,そうした方向に導こうとする政策的なイニシアティブも不在です。けれど,もしかしたらだからこそ,言語教育を生きる私たち教師,教育研究者の活動が――きわめて限定された文脈であっても――時には決定的な意味を持つのかもしれない,と思います。日,英,韓,中,独,仏,そのほか何語の教育に関わる方も,またどのような立場で関わる方(関わろうとする方)も,歓迎します。

関連文献

第53回
「〈台湾・香港・韓国人日本語学習者数は800万人規模〉からの,〈やさしい日本語ツーリズム〉――マーケティングの視点から見た日本語教育」
吉開章さん

  • チラシ 日時: 2017年7月22日(土)14:00~15:45
  • 会場: 早稲田大学 早稲田キャンパス 22号館 512教室[アクセス
  • 参加費: 無料
  • 予約: 不要(当日,直接会場にお越しください)
  • お問い合わせ: monthly@alce.jp(月例会委員会事務局)
  • チラシをダウンロード

話題提供: 吉開章(株式会社電通・やさしい日本語ツーリズム研究会事務局長)

2016年,国際交流基金と電通が発表した「台湾・香港・韓国の日本語学習者数は合計800万人規模」という共同調査結果。これをどう捉えていいか戸惑っている日本語教育関係者は多いのではないでしょうか。そしてこれを発表した「やさしい日本語ツーリズム研究会」とは…。

一連を仕掛けた「中の人」の吉開章さんは,デジタルマーケティングのプロである一方,Facebook上で2万人を超える日本語学習者を日本語教師のチームでサポートする「The 日本語 Learning Community」を主宰・運営しています。教室で教えたことも教案も書いたこともない吉開氏が,今「マーケティング」という視点から様々なことを日本語教育に提示しようとしています。

本月例会では,まず,吉開さんに基金・電通共同調査の読み方を中心に話していただきます。その後,調査に関する質疑応答や意見交換を行います。(事務局)

2017年度月例会のご案内

言語文化教育研究学会では,学会発足以前の研究会時代から現在に至るまで,月例会を定期的に開催してきました[参考:開催記録]。月例会の目的は,あるテーマをめぐり,提供された話題をもとに議論を行うことで,今後の言語文化教育研究の発展につなげていくことです。

これまで毎回の月例会開催にあたり,次の点に留意してきました。

  • 多様な現場からの多様な実践や問題意識に関し,できるだけ多くの方々に話題提供していただく。
  • 話題提供者により設定されたテーマをめぐり,議論を展開する。

月例会は,通常の学会における研究発表会等とは,質的に異なります。研究発表会などでは,基本的に発表者が自身の研究に関し,発表することが重視されています。そのため,質疑応答の時間が設けられていたとしても,発表者から参加者への一方向的な伝達になりがちです。これに対し,月例会においては,提供された話題をもとに,参加者全員で議論することを重視してきました。

以上のような経緯を踏まえ,今後,月例会では,話題提供者と月例会委員間で事前にやりとりすることをとおして,提供される話題や議論の場のデザインを協働的に構築することを重視したいと思います[関連:月例会委員会]。具体的には,主に次の二つの点に関し,話題提供者と月例会委員で事前にやりとりを行います。

  1. どのように説明すれば,自身の実践や問題意識が文脈を共有していない実践者(参加者)に理解してもらえるか。
  2. (説明にもとづき)参加者にどのような問いを投げかけるか。

話題提供者は,月例会委員とのやりとりをとおし,自身の実践や問題意識に関する説明を精緻化するとともに,自身の実践や問題意識を題材に議論する場をデザインします。

話題提供者と月例会委員との協働により,多様な方々から提供される様々な実践や問題意識を題材に開かれた議論が展開される場,それがALCEの月例会です。会員のみなさまの積極的な応募を歓迎します。

例えば,こんなテーマで議論します

ことばと文化の教育に関わるテーマであれば,どのようなテーマでもかまいません。言語教育(日本語教育,外国語教育,国語教育)に留まらず,異文化間教育,生涯教育,芸術教育,演劇教育,教育哲学,教育社会学,教育心理学,教育人類学等,多様なテーマを歓迎します。

例えば,こんな場を創ります

  • 研究途上の自身の研究を捉え直したり,多様で広い視点からコメントを得たりするために話題を提供し,参加者たちと議論します。
  • 自身の実践を他者に開いて振り返ったり,その実践に対して多様で広い視点からコメントを得たりするために,参加者たちと議論します。
  • あるテーマを設定し,話題提供を行い,そのテーマに基づいて参加者同士で「カフェ」的に自由に意見交換をします。
  • あるテーマを設定した上で,講演会のような形で語り手を招き,参加者同士で意見交換をします。
  • ある技術,方法,思考法等に関し,ワークショップのような形の体験の場をつくります。体験を題材として参加者同士で議論します。

参加方法

話題提供者/企画者
  • 話題提供/企画希望者は,開催日程をご参照の上,希望日,お名前,ご所属,およびテーマをmonthly@alce.jp(月例会委員会)までご連絡ください。調整の上,後日,月例会委員よりメールにてご連絡いたします。
  • 話題提供/企画は学会の会員に限定しております。話題提供/企画をご希望の方は事前に入会手続きをお済ませください。また,共同で話題提供を行う場合は,話題提供者のうち,1名以上が会員である必要があります。[関連:入会案内
  • 話題提供/企画は,先着順になります。希望者が多い場合,日程を調整させていただく場合がございます。
  • 話題提供者/企画者には,月例会前に話題提供/企画の要旨,論点等の提出をお願いします。また,月例会後に報告(学会会員向けメールマガジンに掲載)の提出をお願いします。[関連:会員向けメールマガジン
参加者
  • 会員である必要はありません。
  • 参加は無料です。
  • 事前申込は不要です。当日,直接会場にお越しください。

月例会開催日程(2017年度)

2017年
第50回: 4月22日(土)14:00~16:00
第51回: 5月27日(土)14:00~15:45
第52回: 6月23日(金)18:00~19:45
第53回: 7月22日(土)14:00~15:45
第54回: 10月27日(金)18:00~19:45
第55回: 12月15日(金)14:00~15:45
2018年
第56回: 2月17日(土)18:00~19:45

※そのほかに学会特別企画(講師を招いての講演会,ワークショップ等)の開催を検討中です。詳細は決定し次第,お知らせします。

お問い合わせ

月例会に関するお問い合わせは,monthly@alce.jp(言語文化教育研究学会・月例会委員会)まで。