言語文化教育研究学会:Association for Language and Cultural Education

例会

言語文化教育研究学会では,定期的に例会を開催しています。あるテーマをめぐり,提供された話題をもとに議論を行うことで,今後の言語文化教育研究の発展につなげていくことを目的としています。

第56回:5月19日
日本語教育においてProject Based Learning(PBL)は可能か――奥多摩日本語学校の挑戦
話題提供者:平澤栄子さん(奥多摩日本語学校)

  • チラシ 日時: 2018年5月19日(土)14:00~16:00
  • 会場: 早稲田大学 早稲田キャンパス22号館502教室[アクセス
  • 参加方法: 申し込み不要.当日,直接会場にお越しください。
  • お問い合わせ: project@alce.jp(企画委員会)
  • チラシをダウンロード

趣旨: 平澤栄子(奥多摩日本語学校)

奥多摩日本語学校は,外国人留学生の日本語教育とITエンジニア養成を目的とする日本語教育機関である。同校は,奥多摩町(東京都西多摩郡)が公募した「旧古里中学校校舎等活用事業」において採択された「OKUTAMAプロジェクト」の一環として,2017年10月に開校した。同校は情報科学技術を専攻し,学士を有するものを入学資格としている。そのため,在籍する学生は,基本的に卒業後,IT企業に就職したり,ITエンジニアとして起業することなどを目指している。

本研究会では,当校での1期目,2期目の取り組みを実践例として,タイトルに掲げた問いを話題提供として提示したい。

まず,当校での取り組みを簡単に説明する。当校では,テキストを使用した従来型日本語教育,いわゆる文型積み上げ式の日本語教育は行わず,プロジェクトベースの授業(Project Based Learning,以下PBL)を採用した。2017年10月〜12月の1期目では,「奥多摩町のためのIT技術を使ったサービスのプロトタイプを考え,プレゼンする」ことを目標とするプロジェクトを実施した。具体的には,奥多摩町住民へのインタビューやアンケート調査,事例研究などを行ったうえで,それらの結果にもとづき,実際に学生たち自らサービスを考え,奥多摩町の住民にプレゼンテーションを行った。

学期の最後に行われたプレゼンテーションは,全て日本語で行われ,日本語教育という文脈においては,一定の効果があったと言える。しかし,本来の目的である「ITエンジニアの育成」という文脈においては,彼らの考えたアイデアは,十分に考え抜かれたものであったとは言い難く,どこか「やらされている」という感覚が否めないものであった。また,学生からは,「もっと文法や言葉を勉強したい」という声も上がった。さらに,経営陣からは,「日本語教師にPBLは無理ではないか」という指摘もあった。そこで,カリキュラムについてもう一度検討し,2期目(2018年1月〜3月)の実践を行った。

本研究会では,この2期目の実践例をもとに,日本語教育においてPBLは可能か,また,可能でないとしたら,何が問題なのかを改めて考えてみたい。

2018年度例会のご案内

言語文化教育研究学会では,学会発足以前の研究会時代から現在に至るまで,例会(月例会)を定期的に開催してきました[参考:開催記録]。例会の目的は,あるテーマをめぐり,提供された話題をもとに議論を行うことで,今後の言語文化教育研究の発展につなげていくことです。

これまで毎回の例会開催にあたり,次の点に留意してきました。

  • 多様な現場からの多様な実践や問題意識に関し,できるだけ多くの方々に話題提供していただく。
  • 話題提供者により設定されたテーマをめぐり,議論を展開する。

例会は,通常の学会における研究発表会等とは,質的に異なります。研究発表会などでは,基本的に発表者が自身の研究に関し,発表することが重視されています。そのため,質疑応答の時間が設けられていたとしても,発表者から参加者への一方向的な伝達になりがちです。これに対し,例会においては,提供された話題をもとに,参加者全員で議論することを重視してきました。

以上のような経緯を踏まえ,例会では,話題提供者と企画委員間で事前にやりとりすることをとおして,提供される話題や議論の場のデザインを協働的に構築することを重視しています[関連:企画委員会]。具体的には,主に次の二つの点に関し,話題提供者と企画委員で事前にやりとりを行います。

  1. どのように説明すれば,自身の実践や問題意識が文脈を共有していない実践者(参加者)に理解してもらえるか。
  2. (説明にもとづき)参加者にどのような問いを投げかけるか。

話題提供者は,企画委員とのやりとりをとおし,自身の実践や問題意識に関する説明を精緻化するとともに,自身の実践や問題意識を題材に議論する場をデザインします。

話題提供者と企画委員との協働により,多様な方々から提供される様々な実践や問題意識を題材に開かれた議論が展開される場,それがALCEの例会です。会員のみなさまの積極的な応募を歓迎します。

例えば,こんなテーマで議論します

ことばと文化の教育に関わるテーマであれば,どのようなテーマでもかまいません。言語教育(日本語教育,外国語教育,国語教育)に留まらず,異文化間教育,生涯教育,芸術教育,演劇教育,教育哲学,教育社会学,教育心理学,教育人類学等,多様なテーマを歓迎します。

例えば,こんな場を創ります

  • 研究途上の自身の研究を捉え直したり,多様で広い視点からコメントを得たりするために話題を提供し,参加者たちと議論します。
  • 自身の実践を他者に開いて振り返ったり,その実践に対して多様で広い視点からコメントを得たりするために,参加者たちと議論します。
  • あるテーマを設定した上で,講演会のような形で語り手を招き,参加者同士で意見交換をします。
  • ある技術,方法,思考法等に関し,ワークショップのような形の体験の場をつくります。体験を題材として参加者同士で議論します。

参加方法

話題提供者/企画者
  • 話題提供/企画希望者は,開催日程をご参照の上,お名前,ご所属,およびテーマをproject@alce.jp(企画委員会)までご連絡ください。調整の上,後日,企画委員よりメールにてご連絡いたします。
  • 話題提供/企画は学会の会員に限定しております。話題提供/企画をご希望の方は事前に入会手続きをお済ませください。また,共同で話題提供を行う場合は,話題提供者のうち,1名以上が会員である必要があります。[関連:入会案内
  • 話題提供/企画は,先着順になります。希望者が多い場合,日程を調整させていただく場合がございます。
  • 話題提供者/企画者には,例会前に話題提供/企画の要旨,論点等の提出をお願いします。また,例会後に報告(学会会員向けメールマガジンに掲載)の提出をお願いします。[関連:会員向けメールマガジン
参加者
  • 会員である必要はありません。
  • 参加は無料です。
  • 事前申込は不要です。当日,直接会場にお越しください。

例会開催日程(2018年度)

2018年
第55回: 4月21日(土)14:00~16:00
第56回: 5月19日(土)14:00~16:00
第57回: 9月29日(土)14:00~16:00
第58回: 11月16日(金)18:00~20:00
2019年
第59回: 1月26日(土)14:00~16:00

関連: 各回の開催記録(当日のスライド等)

お問い合わせ

例会に関するお問い合わせは,project@alce.jp(企画委員会)まで。