言語文化教育研究学会:Association for Language and Cultural Education

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2023年度 例会

【第95回:2月10日】オンライン開催
学齢期を超えた移民への言語教育を考える ― アメリカのアダルトスクールの事例から

  • チラシ 日時: 2024年2月10日(土)11:30~13:00
  • オンライン(Zoom)開催(※参加費無料。非会員の方もご参加になれます。)
  • 参加方法: こちらのオンラインフォームからお申し込み下さい(要事前申込)
  • チラシをダウンロード
  • お問い合わせ: project@alce.jp(企画委員会)

話題提供者: 高橋朋子さん(近畿大学)

皆さんは,アメリカの「成人移民のための学校(Adult and Vocational School)」を知っていますか。無料で,いつでも,どこでも,誰でも参加できる移民のための学校です。ここでは,毎日多くの移民の人々が,英語や数学,職業スキル(コンピューターや美容師,自動車整備士など),グリーンカードを取得するためのシチズンシップ講座などを受講しています。移民の人々がアメリカで生きていくためにさまざまな力をつけることを目的としており,ロサンゼルスにはオンラインスクールも含め,14校存在しています。が,残念ながら,その授業実践については,日本ではあまり広く知られていません。

本報告では,ロサンゼルスの「成人移民のための学校(Adult and Vocational School)」の中から,ESLクラス(Intermediate)の実践を紹介します。誰が,何を,どのように学んでいるのか,生徒たちはこの学校での学びをどのように捉えているのか,先生は授業を通して何を伝えようとしているのか,について半年間の授業記録から明らかにしたいと考えています。

日本では,学齢期を超えて来日した外国人が日本語を学習する機会は限られています。長く日本に住んでいても,日本語能力が十分でないために,家庭教育や職業生活,社会生活において問題を抱えている人も少なくありません。また日本社会で生きるために必要な情報にアクセスできていないこともあります。アメリカの事例から学べることがあるのではないでしょうか,皆さんと一緒に考えてみたいと思います。

【第94回:8月26日】オンライン開催
日本語学習者の日本語学習フロー経験 ― 韓国人就労者の事例から


  • チラシ 日時: 2023年8月26日(土)14:00~16:00
  • オンライン(Zoom)開催(※参加費無料。非会員の方もご参加になれます。)
  • 参加方法: こちらのオンラインフォームからお申し込み下さい(要事前申込。)
  • チラシをダウンロード
  • お問い合わせ: project@alce.jp(企画委員会)

話題提供者: 朴ウギョンさん(九州大学大学院 地球社会統合科学府)

「喜び,創造,生活への深い没入過程など人間の体験の能動的側面」をチクセントミハイ(1990/1996)はフロー(Flow)と呼びました。「フローは自己目的的で全人的に一つの行為に没入しているときに感じる包括的感覚であり,深い楽しさや喜びを伴う経験を生む」(今村・浅川,2003)とされます。就労のために来日した韓国人たちは日本語学習においてどのようなフローを経験しているのでしょうか。

「朝,お家を出る瞬間から,夜,戻る時までアンテナが立っている感覚がありました。」「もう日本語で話している感覚がありません。」など,彼らの語る日本語学習経験は主観的なものでありながら,学習者として共感できるものでもあります。多様な価値観,多様な動機づけで来日し就労している外国人の日本語学習を理解するために,関心・集中・喜びが成長へつながることを説明するフローの観点からみていきます。

個別の経験の中に共通する本質的な客観を求める現象学的アプローチをもって,15人の韓国人就労者の事例に迫ります。日本語学習経験をどのように記述するか,またその記述を読んだ日本語教師の意識はどのように変わる可能性があるかについて話し合う場にしたいです。

文献
  • チクセントミハイ,M.(1996).今村弘明(訳)『フロー体験―喜びの現象学』(p. ⅶ)世界思想社.(Csikszentmihalyi, M. (1990). FLOW: The psychology of optimal experience.)
  • 今村浩明,浅川希洋志(2003).『フロー理論の展開』(p.ⅰ)世界思想社.

【第93回:8月12日】オンライン開催
かえってきた「トガル」ためのビブリオバトル ― ALCE Webマガジン『トガル』特集「『トガル』ための100作品への道」

【お詫び】「ビブリオバトル」の名称を用いたイベント実施について

  • チラシ 日時: 2023年8月12日(土)21:00~23:00(日本時間)
  • 会場: オンライン(zoom)開催
  • 参加方法: こちらのオンラインフォームからお申し込み下さい
    ※参加費無料,要事前申し込み。非会員の方もご参加になれます。
  • お問い合わせ: project@alce.jp(企画委員会)

ALCE Webマガジン「トガル」では、特集として「「トガル」ための100作品」を準備中です。

本特集では、広くことばの教育に携わるみなさまから「トガル」ためにおすすめの作品(本、漫画、映画、演劇、演芸、楽曲、芸術作品等)を挙げていただいたうえで、その結果を「トガル」ための100作品として誌上で公開する予定です。現在、「トガル」誌上で「トガル」ための100作品を収集するためのアンケートを実施中です。アンケートの質問は次のとおりです。

  • 自分がことばの教育を行ううえで、影響を受けた作品(本、漫画、映画、演劇、演芸、楽曲、芸術作品等)を教えてください。可能であれば、どのような影響を受けたかもお書きください。
  • ことばの教育に携わる人として、読んでおく/観ておく/聴いておくことを勧めたいと思う作品(本、漫画、映画、演劇、演芸、楽曲、芸術作品等)があれば、教えてください。可能であれば、読んでおく/観ておく/聴いておくことを勧めたいと思う理由もお書きください。

本例会では、この特集の連動企画として、ことばの教育に携わる者としての自身にとって重要な作品を媒介にお互いの言語教育観に関し対話する機会を設けることを目的に、「「トガル」ためのビブリオバトル」を開催します。なお、本「ビブリオバトル」は、昨年7月に行われた第87回例会に続く第二弾となります。

ビブリオバトルとは

「ビブリオバトル」とは、ゲーム感覚を取り入れた「書評合戦」です。ビブリオバトラー(発表者)たちがおすすめ本を持ち寄り、1人5分の持ち時間で書評した後、バトラーと観客が一番読みたくなった本を決定します。

求む!ビブリオバトラー

本例会では、ことばの教育に携わる者としての自身にとって重要な作品を持ち寄り、その作品の魅力を紹介するビブリオバトラーを募集しております。ビブリオバトルは「書評合戦」ですが、本例会で紹介する対象は本に限りません。本以外の作品(漫画、映画、演劇、演芸、楽曲、芸術作品等)をご紹介いただいてもかまいません。

ビブリオバトラーとして参加を希望される方は、こちらのアンケートにご回答のうえ、「コメント」欄に「ビブリオバトラー希望」と明記し、紹介したい作品をお書きください。折り返し、ALCE企画委員会より詳細をご連絡いたします。

【第92回:7月1日】オンライン開催
ドイツの民主主義教育についての報告 ― 「対話」とは何か:多様性の尊重と合意形成

  • チラシ 日時: 2023年7月1日(土)20:00~22:00(日本時間)
  • 会場: オンライン(zoom)開催
  • 参加方法: こちらのオンラインフォームからお申し込み下さい
    ※参加費無料,要事前申し込み。非会員の方もご参加になれます。
  • お問い合わせ: project@alce.jp(企画委員会)

話題提供者

  • 稲垣みどり(山梨学院大学)
  • 苫野一徳(熊本大学)※
  • 岩内章太郎(豊橋技術科学大学)
  • 三輪 聖(テュービンゲン大学)

2023年3月上旬に,私たちは科研研究課題「共生社会での市民性形成のために日本語教育は何ができるか――現象学的対話実践の試み」(代表:稲垣)の一環として,ドイツの学校教育機関3つを訪問して民主主義教育の実践を視察する機会を得ました。本企画は,私たちの目を通してその内容を報告します。また,単なる報告だけでなく,ドイツの民主主義教育の文脈で行われていた「対話」の授業の見学と現地の先生方とのディスカッションを通して私たちが考えた,「なんのための対話か」という,「対話」の本質をめぐる問いについて,参加者のみなさんと考え,議論したいと思います。

本企画のメインは,ドイツの民主主義教育に触発された,教育における「対話」活動の意義についてディスカッションすることです。そこで,私たちの「報告」は前半1時間以内におさめ,後半1時間ほどかけて,参加者のみなさまとじっくり議論する時間を取りたいと思っています。「対話」とは何か。「対話」の目指すものは何なのか。私たちと熱い議論を展開したい方々のご参加をお待ちいたします。

苫野一徳さんは、ご本人のご都合により登壇できません。そのため内容に変更が生じますことをご了承ください。

【第91回:6月24日】オンライン開催
コンヴィヴィアリティ×ことば


話題提供者

  • 大平幸(立命館アジア太平洋大学)
  • 家根橋伸子(東亜大学)
  • 古屋憲章(山梨学院大学)

これは、私たちが、人とことば、ことばと教育、ことばと社会の関係を少しだけ変えるための物語です。

第9回年次大会では「コン_ヴィヴィアリティと言語教育」をテーマとし、社会において、言語教育に関わる私たちがどのようにコンヴィヴィアルな社会を実践していけるのかということについて考え、話し合う場を作りました。話し合いの最中、フロアから「ことばについての議論が足りない」という意見が出されましたが、残念ながら時間切れとなり、その後、議論が展開することはありませんでした。

今回の企画では「ことば」により大きな焦点をあて、ことばやことばの教育を通して、私たち一人ひとりがどのようにコンヴィヴィアルな社会を実践していけるのかについて、考えたいと思います。

今、ことばをめぐる状況は、コンヴィヴィアルなものとなっているでしょうか。もし、なっていないとすれば、その原因は何なのでしょうか。イリイチの、「コンヴィヴィアリティのための道具」という概念は、私たちにそのことを考えるきっかけを与えてくれます。

あなたの立つ場はどんな〈場〉ですか?その〈場〉から、コンヴィヴィアルな社会を創るためにどんなことができるでしょうか。

「ことば」をキーワードに、ゆるやかに対話していきます。

【第90回:5月13日】オンライン開催
かえってきた ALCE Webマガジン「トガル」公開編集会議

話題提供: ALCEアーカイブズ運営委員会のみなさん

当学会のWebマガジン「トガル」は、次のようなコンセプトにもとづく新しいメディアとして、2020年10月に創刊されました。

言語文化教育研究学会は会員による自由な言論と対話の場でありたいと思っています。そして,どんなに小さく弱き声も届く学会であってほしいと思っています。

科学的に十分論証されていなくとも,真実でありおもしろいと思われる知見の共有の場であってほしいと思っています。学会員の研究活動外のテーマも共有できる場であってほしいと思っています。

そうした思いから,このメディアが生まれました。

「トガル」は基本的に学会員であればどなたも投稿いただけます。審査基準は「トガル」編集委員会が

  • おもしろい!
  • とがっている!

と思えるかどうか。

我々は,我々が柵を飛び越える羊であることを確認できる場として,人文知の創造の場として,このメディアを開きます。

2020年10月15日
言語文化教育研究学会 アーカイブズ運営委員会

「トガル」の編集、発行は、ALCEアーカイブズ運営委員会が担当しています。現在、創刊から約2年半が経過したところです。2021年5月には、第72回例会として「ALCE Webマガジン「トガル」公開編集会議」を開催し、様々なアイディアをいただきました。その際にいただいたアイディアの中からいくつかの連載が立ち上がりました。また、例会に参加された方で後に編集委員になった方もいます。

創刊から2年半を経て、各連載もある程度安定してきました。しかしながら、安定は私たちの本意とするところではありません。私たちは多様な表現形態によるさらにトガッた誌面を志向しています。また、「トガル」という場でより多くの会員が自由な表現を展開することを希求しています。

そこで、本例会では、次のような活動をとおし、「トガル」の新たな企画の考案、および「トガル」の新たな担い手(表現者、編集委員等)の発掘を図ります。

【第1部:座談会】
ALCEアーカイブズ運営委員会の委員が座談会形式で「トガル」創刊の経緯、「トガル」のコンセプト、現在「トガル」で連載されている記事等を紹介する。
【第2部:公開編集会議】
第1部で紹介したコンセプトにもとづき、参加者を交え、今後、「トガル」でどのような企画を行えばよりトガッた誌面になるかを話し合う。有望な企画があれば、掲載に向けた打ち合わせを行う。