言語文化教育研究学会:Association for Language and Cultural Education

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2024年度 例会

【第98回:8月12日】復活の「トガル」ための評論対話 ― ALCE Web マガジン「トガル」 特集「トガル」ための100作品への道半ば

ALCE Web マガジン「トガル」では、特集として「「トガル」ための100作品」の掲載を継続しており、現在までに17作品が「トガル」誌上で紹介されています。

本特集では、広くことばの教育に携わるみなさまから「トガル」ためにおすすめの作品(本、漫画、映画、演劇、演芸、楽曲、芸術作品等)を挙げていただいたうえで、その結果を「トガル」ための100作品として誌上で公開する予定です。そのため、現在、「トガル」誌上で「トガル」ための100作品を収集するためのアンケートを実施中です。アンケートの質問は次のとおりです。

  • 自分がことばの教育を行ううえで、影響を受けた作品(本、漫画、映画、演劇、演芸、楽曲、芸術作品等)を教えてください。可能であれば、どのような影響を受けたかもお書きください。
  • ことばの教育に携わる人として、読んでおく/観ておく/聴いておくことを勧めたいと思う作品(本、漫画、映画、演劇、演芸、楽曲、芸術作品等)があれば、教えてください。可能であれば、読んでおく/観ておく/聴いておくことを勧めたいと思う理由もお書きください。

本例会では、この特集の連動企画として、ことばの教育に携わる者としての自身にとって重要な作品を媒介にお互いの言語教育観に関し対話する機会を設けることを目的に、「「トガル」ための評論対話」を開催します。2022年7月2023年8月に同様の企画を例会として実施したところ、参加者から好評を得ました。本企画は第87回第93回例会に続く第3弾となります。

評論対話とは

「評論対話」とは、自身の価値観や生き方に深い影響を与えた作品を媒介に対話する活動です。対話者たちがおすすめ作品を持ち寄り、1人5分の持ち時間で紹介した後、対話者と観客でどの作品を一番読みたく/観たく/聴きたく/体験したくなったかを話し合います。

※本「評論対話」を企画するにあたり、知的書評合戦ビブリオバトルを参考にしました。

求む! 対話者

本例会では、ことばの教育に携わる者としての自身にとって重要な作品を持ち寄り、その作品の魅力を紹介する対話者を募集しております。なお、評論対話でご紹介いただく作品は、本に限りません。本以外の作品(漫画、映画、演劇、演芸、楽曲、芸術作品、ゲーム等)のご紹介も大歓迎です。対話者として参加を希望される方は、こちらのアンケートにご回答のうえ、「コメント」欄に「対話者希望」と明記し、紹介したい作品をお書きください。折り返し、ALCE企画委員会より詳細をご連絡いたします。

【第97回:7月27日】「Learning by Doing」― ランゲージ・フェスティバルの実践

※本企画は、特別企画「「教える」も「育てる」もない森の民に言語教育とは何かを伝えようとしてみたら大変だった話」(伊藤雄馬さん,2024年8月4日開催)とのコラボ企画です。

話題提供者: 衛藤智子さん,板橋民子さん,吉田真宏さん(立命館アジア太平洋大学)

「多くの学生は、英語圏の国にしか興味がない。だから、彼らは香港がどこにあるのか知らないし、興味がない。彼らの心の中の世界地図にアジアの国は存在していないんです」― これは、ある香港出身の留学生の言葉です。これが「国際」大学を名乗る私たちの現実です。

この現実を変えることはできないかと考えた時、思い出されたのが発表者の留学体験です。当時、学業や英語力への不安からいつもびくびくしていた発表者が、現地のイベントで日本語のレッスンを行いました。そこで、参加者からの多くの質問、コーラスリーディングの大きな声、笑顔に握手にお礼の言葉をもらい、最後には、自分の持つものに価値を感じ、そこに堂々といていいのだと感じられたのです。

この体験を再現し、現実に働きかけようとしているのが、「ランゲージ・フェスティバル(LF)」です。LFは、コミュニティの少数派学生から言語と文化を学ぶ、学生・教職員・市民参加の多文化フェスティバルです。2023年10月に開催された LF3では、ほかの10の言語レッスンとともに、伊藤雄馬先生が少数言語「ムラブリ」を直接法で紹介し、未知の言語との貴重な出会いの機会を提供してくださいました。

約半年をかけ、単位にもお金にもならないLFに取り組んだ学生スタッフたちの声を集めたところ、彼らの中に様々な「経験をとおしての学び(Learning by Doing)」(デューイ,2004/1938)が起こったように見えました。この会では、LF の実践や学生の声を紹介させていただいた後、参加者のみなさまのお知恵を借りながら、今後の LF を通じた学びの可能性について模索する機会が得られればと考えています。

  • デューイ,J.(2004).市村尚久(訳)『経験と教育』講談社学術文庫.(Dewey, J. (1938). Experience and education. Kappa Delta Pi.

【第96回:5月11日】ハイブリッド開催
座談会:どうする?「ちいき」! ― 結婚移住女性のLifeから考える地域日本語教育


話題提供者: 福村 真紀子さん(茨城大学)

日本語が自在に操れなければ「ちいき」(生活を営む場所)にコミットしにくい、だから、「ちいき」の外国人に地域日本語教室で日本語を教える。そのような実践についてどのように考えますか?

本例会では、話題提供者が自身の地域日本語教育の実践を紹介し、日本語を「教える―教えられる」を超え、人的ネットワークの構築をめざす、生活者のLife(生活・人生・命)を支える地域日本語教育について提案します。そして、参加者同士で新しい地域日本語教育の在り方について意見交換をします。

なお、本例会の開催は、『結婚移住女性のエスノグラフィー ― 地域日本語教育の新しい在り方』(福村真紀子,2023,早稲田大学出版部)の刊行に連動しています。

当日の構成
  1. はじめに
  2. 話題提供者による地域日本語教育の実践の紹介
  3. 『結婚移住女性のエスノグラフィー ― 地域日本語教育の新しい在り方』を参照しつつ、「ちいき」の結婚移住女性に関する課題を提示
  4. これからの地域日本語教育の在り方について参加者同士で意見交換
  5. おわりに