2024年度 例会
【第99回:2月8日,3月8日,3月29日】TRPGを通して考える,言葉(language),言葉すること(languaging),言葉する人(languager)としてのわたしたち
- 日時・会場(定員):2025年
- 2月8日(土)18:30〜21:00・オンライン(先着30名)
- 3月8日(土)17:00~21:00・横浜国立大学(若干名)
- 3月29日(土)19:00~21:00・オンライン(先着50名)
- 参加費無料(※以下のオンラインフォームから事前申込が必要。非会員の方もご参加になれます)
- チラシをダウンロード
- お問い合わせ: project@alce.jp(企画委員会)
- 企画・話題提供
- 石田喜美(横浜国立大学)
- プレイヤー
- 石田喜美(横浜国立大学),草谷緑(フリー・ディレクター),山本冴里(山口大学),中山由佳(山梨学院大学),大平幸(四国大学)
趣旨・申し込み方法
近年,「トランスランゲージング(translanguaging)」をはじめ,「言葉(language)」を動かぬ,固定化した実体として見るのではなく,私たち人間が行う行為としての「言葉すること(languaging)」を捉えるとする考え方が広くみられるようになりました。このような見方は,必然的に,人々によって生み出され,変化し,さらには滅亡していくことすらある言葉の存在に,目を向けることにつながります。
本企画の目的は,このような言語観に基づきながら,人々の集まる共同体と言語をめぐる関係性について,フィクションの物語をともに生み出すことを通じて,考える機会を提供することにあります。言語の滅びをテーマにしたテーブルトーク・ロールプレイングゲーム(以下,TRPG)「ダイアレクト(Dialect)」のプレイとそのプレイの様子の振り返りを通じて,参加者の皆さんとともに考え,議論する場を設けたいと思います。
本企画は,3回シリーズで行います。
第1回(オンライン)「共同体をつくる・登場人物をつくる」
2025年2月8日(土)18:30〜21:00,オンライン,先着30名[参加申し込みフォーム]
第1回目は,言語の滅びをテーマにしたTRPG「ダイアレクト」,および,今回用いる物語設定(バックドロップ)について説明をします。またこれらを踏まえたうえで,参加者の皆さんからアイデアをいただきながら,このゲームの舞台となる ①孤立した共同体(アイソレーション)とはいかなる場所であり,そこでどのように人々が暮らしているのかを考えていくとともに,そこで暮らす ②登場人物たちを創作します。人々が「言語」という行為・活動を行う舞台を,皆で想像/創造していくことで,私たちがふだん生きている言語の舞台とはどのような舞台であるのかを再考していくようなワークショップとなることを期待しています。
第2回(対面:横浜国立大学)
「言葉の生成と変化,滅びをプレイする」
2025年3月8日(土)17:00~21:00,横浜国立大学(YNU BASE HAZAWA),定員若干名[第1回参加者のうち希望者の中から抽選]
第2回は,第1回目に創作した設定を用いて,実際に,5名のプレイヤーがTRPG「ダイアレクト」をプレイします。TRPG「ダイアレクト」では,「時代1」「時代2」「時代3」という3つの時代をプレイしていきます。「時代1」では,登場人物たちによって,共同体およびそこに置かれた人々の状況に即した「単語」を生み出していきます。「時代2」では,「時代1」と同様に,新たな「単語」が生み出されることもありますが,前の時代に生み出された「単語」の意味や用いられ方が変容したりするような事態も生じてきます。「時代3」ではさらに,共同体の終焉に向かって,言葉が変化したり失われていったりしていきます。このような,すべての時代を経たあと,最後に,それぞれのプレイヤーたちは,わたしたちの言葉とそれぞれの登場人物の,あるいは共同体のその後について物語ります。
第3回(オンライン)「わたしたちとわたしたちの言葉をめぐる物語をふりかえる」
2025年3月29日(土)19:00~21:00,オンライン,先着50名[参加申し込みフォーム:3月9日申込開始]
第3回では,第2回のプレイ会の様子を簡単に紹介したのち,今回の企画にプレイヤーとして参加した5名それぞれが,プレイの中でどのような経験をしたのかを振り返り,報告します。また,第2回のプレイ会において生まれた物語や,そこからそれぞれの登場人物/プレイヤーが経験したこと・感じたことをもとに,言葉を行為・活動としてとらえること,「言葉する人(languager)」としての私たちを捉えることの意義や,私たちと言葉との関係を再考し変革していくツールとしてのゲームプレイやパフォーマンスの可能性について議論していきます。
【第98回:8月12日】復活の「トガル」ための評論対話―ALCE Web マガジン「トガル」 特集「トガル」ための100作品への道半ば
-
日時: 2024年8月12日(月・祝)21:00~23:00
- オンライン開催(※要事前申込。参加費無料。非会員の方もご参加になれます。)
- チラシをダウンロード
- お問い合わせ: project@alce.jp(企画委員会)
ALCE Web マガジン「トガル」では,特集として「「トガル」ための100作品」の掲載を継続しており,現在までに17作品が「トガル」誌上で紹介されています。
本特集では,広くことばの教育に携わるみなさまから「トガル」ためにおすすめの作品(本,漫画,映画,演劇,演芸,楽曲,芸術作品等)を挙げていただいたうえで,その結果を「トガル」ための100作品として誌上で公開する予定です。そのため,現在,「トガル」誌上で「トガル」ための100作品を収集するためのアンケートを実施中です。アンケートの質問は次のとおりです。
- 自分がことばの教育を行ううえで,影響を受けた作品(本,漫画,映画,演劇,演芸,楽曲,芸術作品等)を教えてください。可能であれば,どのような影響を受けたかもお書きください。
- ことばの教育に携わる人として,読んでおく/観ておく/聴いておくことを勧めたいと思う作品(本,漫画,映画,演劇,演芸,楽曲,芸術作品等)があれば,教えてください。可能であれば,読んでおく/観ておく/聴いておくことを勧めたいと思う理由もお書きください。
本例会では,この特集の連動企画として,ことばの教育に携わる者としての自身にとって重要な作品を媒介にお互いの言語教育観に関し対話する機会を設けることを目的に,「「トガル」ための評論対話」を開催します。2022年7月,2023年8月に同様の企画を例会として実施したところ,参加者から好評を得ました。本企画は第87回,第93回例会に続く第3弾となります。
評論対話とは
「評論対話」とは,自身の価値観や生き方に深い影響を与えた作品を媒介に対話する活動です。対話者たちがおすすめ作品を持ち寄り,1人5分の持ち時間で紹介した後,対話者と観客でどの作品を一番読みたく/観たく/聴きたく/体験したくなったかを話し合います。
※本「評論対話」を企画するにあたり,知的書評合戦ビブリオバトルを参考にしました。
求む! 対話者
本例会では,ことばの教育に携わる者としての自身にとって重要な作品を持ち寄り,その作品の魅力を紹介する対話者を募集しております。なお,評論対話でご紹介いただく作品は,本に限りません。本以外の作品(漫画,映画,演劇,演芸,楽曲,芸術作品,ゲーム等)のご紹介も大歓迎です。対話者として参加を希望される方は,こちらのアンケートにご回答のうえ,「コメント」欄に「対話者希望」と明記し,紹介したい作品をお書きください。折り返し,ALCE企画委員会より詳細をご連絡いたします。
【第97回:7月27日】「Learning by Doing」―ランゲージ・フェスティバルの実践
-
日時: 2024年7月27日(土)20:00~21:30
- オンライン開催(※要事前申込。参加費無料。非会員の方もご参加になれます。)
- チラシをダウンロード
- お問い合わせ: project@alce.jp(企画委員会)
※本企画は,特別企画「「教える」も「育てる」もない森の民に言語教育とは何かを伝えようとしてみたら大変だった話」(伊藤雄馬さん,2024年8月4日開催)とのコラボ企画です。
話題提供者: 衛藤智子さん,板橋民子さん,吉田真宏さん(立命館アジア太平洋大学)
「多くの学生は,英語圏の国にしか興味がない。だから,彼らは香港がどこにあるのか知らないし,興味がない。彼らの心の中の世界地図にアジアの国は存在していないんです」―これは,ある香港出身の留学生の言葉です。これが「国際」大学を名乗る私たちの現実です。
この現実を変えることはできないかと考えた時,思い出されたのが発表者の留学体験です。当時,学業や英語力への不安からいつもびくびくしていた発表者が,現地のイベントで日本語のレッスンを行いました。そこで,参加者からの多くの質問,コーラスリーディングの大きな声,笑顔に握手にお礼の言葉をもらい,最後には,自分の持つものに価値を感じ,そこに堂々といていいのだと感じられたのです。
この体験を再現し,現実に働きかけようとしているのが,「ランゲージ・フェスティバル(LF)」です。LFは,コミュニティの少数派学生から言語と文化を学ぶ,学生・教職員・市民参加の多文化フェスティバルです。2023年10月に開催された LF3では,ほかの10の言語レッスンとともに,伊藤雄馬先生が少数言語「ムラブリ」を直接法で紹介し,未知の言語との貴重な出会いの機会を提供してくださいました。
約半年をかけ,単位にもお金にもならないLFに取り組んだ学生スタッフたちの声を集めたところ,彼らの中に様々な「経験をとおしての学び(Learning by Doing)」(デューイ,2004/1938)が起こったように見えました。この会では,LF の実践や学生の声を紹介させていただいた後,参加者のみなさまのお知恵を借りながら,今後の LF を通じた学びの可能性について模索する機会が得られればと考えています。
- デューイ,J.(2004).市村尚久(訳)『経験と教育』講談社学術文庫.(Dewey, J. (1938). Experience and education. Kappa Delta Pi.
【第96回:5月11日】ハイブリッド開催
座談会:どうする?「ちいき」!―結婚移住女性のLifeから考える地域日本語教育
-
日時: 2024年5月11日(土)14:00~16:00
- ハイブリッド開催(※参加費無料。非会員の方もご参加になれます。)
- 対面会場:早稲田大学 早稲田キャンパス22号館[アクセス:PDF]601教室(予定)
- 参加方法(要事前申込):
- チラシをダウンロード
- お問い合わせ: project@alce.jp(企画委員会)
話題提供者: 福村 真紀子さん(茨城大学)
日本語が自在に操れなければ「ちいき」(生活を営む場所)にコミットしにくい,だから,「ちいき」の外国人に地域日本語教室で日本語を教える。そのような実践についてどのように考えますか?
本例会では,話題提供者が自身の地域日本語教育の実践を紹介し,日本語を「教える‐教えられる」を超え,人的ネットワークの構築をめざす,生活者のLife(生活・人生・命)を支える地域日本語教育について提案します。そして,参加者同士で新しい地域日本語教育の在り方について意見交換をします。
なお,本例会の開催は,『結婚移住女性のエスノグラフィー―地域日本語教育の新しい在り方』(福村真紀子,2023,早稲田大学出版部)の刊行に連動しています。
当日の構成
- はじめに
- 話題提供者による地域日本語教育の実践の紹介
- 『結婚移住女性のエスノグラフィー―地域日本語教育の新しい在り方』を参照しつつ,「ちいき」の結婚移住女性に関する課題を提示
- これからの地域日本語教育の在り方について参加者同士で意見交換
- おわりに